内容説明
十九世紀中葉、三年半の年月を費やして世界の海を巡り、当時まったく未知の領域であった深海を探って、近代海洋学の礎を築いたイギリスの科学探検船、チャレンジャー号。この探検によって、海全体の様相が白日のもとにさらされ、地球の自然を知るという人類史的営みの上でも大きな意義をもたらした。本書は、大海原に乗り出した乗組員と自然との闘いを通し、彼らが情熱を注いで解明しようとした海とそこに棲む生物の世界を活写する。
目次
序章 横浜沖に翻るユニオンジャック
1章 深海探検へのプレリュード
2章 ワイヴィル・トムソン教授
3章 チャレンジャー号、海へ!
4章 南十字星の下を
5章 ホリデイズ・イン・ジャパン
6章 ふたたび海へ、そして故国へ
7章 探検の成果
終章 チャレンジャー号の名は永遠に
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おらひらお
3
1992年初版。単純に冒険物としても面白い。2020/01/23
黒胡麻
0
19世紀、海洋学や生物学に多大な貢献をもたらした調査船チャレンジャー号の世界一周の航海の物語。深海についてほとんど知られてなかった時代、ドレッジ(採集装置)を引き上げるたび得体のしれない海底生物が捕れてくるのはさぞかし興奮しただろう。日本に立ち寄った際、自宅近くの海でも調査していたのは感慨深かった。かなりダイジェストされた内容だが端折られた部分ももっと読みたいと思った。2014/08/14
Keisuke Tsuchiya
0
この本で紹介されているチャレンジャー号航海(1873-76)の報告書「チャレンジャー・レポート」。全50巻、英文で約3万頁。こちらもいつかチャレンジしたい。2012/08/13