中公新書<br> 儒教とは何か

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中公新書
儒教とは何か

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  • サイズ 新書判/ページ数 267p/高さ 18X11cm
  • 商品コード 9784121009890
  • NDC分類 124.1
  • Cコード C1212

内容説明

儒教には、四角四面の礼教性の強い倫理道徳であり、しかも古い家族制度を支える封建的思想という暗いイメージが色濃くつきまとっている。しかし、儒教の本質は死と結びついた宗教であり、それは日本人の生活の中に深く根を下ろしている。第二次大戦後進められた個人主義化により、さまざまな歪みと弊害とを露呈させている今日、〈人間の心〉を問題とする儒教の根本を問い直し、その歴史をたどりながら、現代との関わりを考える。

目次

はじめに 葬式と儒教と
儒教における死
儒教の宗教性
儒教文化圏
儒教の成立
経学の時代
儒教と現代と

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Tomoichi

29
一般的に礼教性のみが強調される儒教。我々が見過ごしてしまう「宗教性」に焦点を当て字義解釈ではなく儒教の根本と歴史、その発展をわかりやすく解説。もちろん著者の意見に反対する専門家もいるだろうが、今までよくわからなかった「宗教性」について理解でき、あまり好きではなかった儒教に興味が持てました。他の著作も読んでみたくなりました。2018/11/27

yamahiko

22
儒教の宗教性にスポットを当て分かりやすく解説された一冊でした。以前から葬式仏教の起源に興味があったので、本書に出会えたことは幸甚でした。自分自身の祖先に対する感じ方のルーツの一端を見つけた思いがしました。2018/06/03

owlsoul

15
著者によると、儒教の起源は永遠の命を懇願する中国人が生み出した宗教だという。気候風土に恵まれた中国大陸では、インド仏教のような「生きること=苦しみ」といった思想は生まれなかった。人々は生を謳歌し、それゆえ過剰に死を恐れた。そこで彼らは霊の存在を信じ、死後も霊として現世に再生できると考えた。霊の再生には祭祀が必要であり、それは死者の子孫が行う。つまり子孫繁栄=永遠の命となり、この理論が先祖供養や親孝行、家族主義の思想へと繋がっていく。やがて共同体維持のノウハウのみが独立し、現在の儒教のイメージは出来上がった2023/11/25

サアベドラ

13
著者は中国古典の研究者で保守派の論客としても知られる加地伸行。本書は孔子以前から明の陽明学に至るまでの儒教の流れを追う概説書、という体で書かれている。が、その実、独自の主張や解釈と思しき記述も多く含まれており、初学者としてはどこまで信用していいのか戸惑うことが多かった。結局、疑問に感じた箇所を手許の辞典や参考書類で確認しながら読むはめになり、おかげで儒教に関する最低限の知識は得られた気がするが、これでは何のための本書を手に取ったのかわからない。2014/09/23

Miyoshi Hirotaka

11
日本で最もポピュラーな葬式といえば仏式。ところがその中身の大部分は儒教式。僧侶の読経はおまけのようなもの。儒教は死と深く結びついた宗教だった。仏教伝来以前の中国では招魂再生を願う儒教や不老長生を願う道教が思想システムとして完成。そこに仏教の輪廻転生という異質な考え方が入ったが、死んでも来世に再び生まれると都合のいい方に変容し、仏教と混然一体となって日本に伝わった。清め塩のように死者の穢れを忌避するもの以外は全て大陸伝来。今では儒教を宗教とみなす人はいない。それだけ深く我々の内面に浸透している。2013/07/22

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