中公新書<br> オルテガ―現代文明論の先駆者

中公新書
オルテガ―現代文明論の先駆者

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  • サイズ 新書判/ページ数 253p/高さ 18X11cm
  • 商品コード 9784121008947
  • NDC分類 136

内容説明

『大衆の反抗』等で知られるオルテガの多彩な文明論は、現代の「危機」から出発する。かれは現代の危機を理解し、有効に対処するために、先例を探る。本書は、人類がいかにして歴史上の危機を克服し文明を築いたかをオルテガ自身に明快に語らせる。

目次

オルテガという思想家
危機の時代ルネッサンス
古代の危機
現代の危機
オルテガと政治
オルテガ年譜

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

うえ

12
オルテガの広範な仕事をカバーしている意外な力作である。オルテガは『大衆の反逆』で大衆と大衆人を分け大衆人とは《平均人》であるという。そして「科学者は大衆人の原型である」と述べる。専門分野で自信をもつ科学者は、その自信により専門外にも介入し、あらゆる問題に権威ある者の如く発言する。そして徐々に自分以外の権威を認めなくなる。大衆人は愚鈍ではなく相等の知的能力はもつが、決まり文句、偏見、アイディアの端くれをもって至るところに介入してくる。その典型的な運動としてファシズムだけでなくサンディカリズムを指摘している。2021/03/23

みつ

7
冷戦終結時の直前に出版された新書の再読。「二つの『生』の体系のはざまにあっていずれにも落ち着かぬ状況」を「危機」ととらえ、3つの危機の時代、「ルネッサンス期」「古代ローマ」「現代」について順に触れてゆく。とはいえ、各時代の記述から様々な概念に飛び移り、どこまで理解できたかは今回も怪しい。一番興味を惹いたのは、「一つの文化圏の諸原則の最後の様式は辺境で生み出される」として、画家ベラスケスの業績を「絵画の純粋な視覚性への帰結」と捉えたくだり。彼の主著「大衆の反逆」再読に加え、「ベラスケス入門」も是非読みたい。2021/01/18

ともふく

5
「大衆の反逆」を著したスペインの哲学の巨匠オルテガ。その思想を要約的に解説してくれる本。ポピュリズムの風潮が強くなっている昨今、オルテガの言う大衆の反逆とは何か、が知りたくて読んでみた。なかなか難しく全てを理解することはできなかった。しかし、社会の分断と無責任な大衆の増加は、オルテガの見通しの通りにも思えた。2016/12/30

takao

3
ふむ2023/01/20

にゃん吉

3
本書によれば、オルテガの思想では、「危機とは、二つの「信念の体系」のはざまにあって、いずれにも落ちつかぬ過渡的状況」とのことですが、本書は、オルテガが示した中世の危機、古代の危機、現代の危機について概説する中で、オルテガの文明、大衆、国家、政治観が示される構成となっています。冷徹に現実を見据えた思想という印象を受けました。世代、信念、慣習、国民社会等々の独特の概念とともに、オルテガのユニークな思想の一端が知れました。   2020/11/01

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