内容説明
19世紀後半、日本は、国内外からの要請に応じた急速な近代化を推進すべく、さまざまな分野に欧米から数多くの教師を招いた。本書は、未刊資料をも駆使し、お雇い外人史と海軍創設史とを結ぶ画期的な検証である。
目次
お雇い外人の中の海軍関係者
幕末の海軍お雇い外人(オランダ人海軍お雇い;幕末の仏・英人海軍お雇い)
明治初期の海軍お雇い外人
日清・日露戦争への“尽力”
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
叛逆のくりぃむ
11
御雇外國人を通して、幕末から明治にかけての海軍史を概觀した書。陸軍については、メッケル少佐が著名ではあるが、海軍では綺羅星の樣な存在がおらず精彩を缺いてゐる。幕府海軍の關係者の多くが新政府に於も役割を果たしてゐつたことが分かるのが興味深い。2015/01/19
印度 洋一郎
5
近代日本が西洋文明を受容するための導き手となった「お雇い外人」の招聘先の中で、重要な位置を占めたのが日本海軍。最重要課題である国防、そしてハイテク専門集団である近代海軍を早急な育成のため、多くの外国人がやってきた。その流れは、実は徳川幕府の海軍伝習所から始まっており、その出身者は明治の海軍でも実務を担う幹部クラスの中核を占めていた。薩摩の海軍と呼ばれた明治の日本海軍は、実は徳川幕府の遺産の上にあった。そして、オランダ、フランス、イギリス、アメリカ各国からの「ヤトイ」達の去就と、日本との関係も興味深い。 2014/06/08