内容説明
南氷洋捕鯨に遅れて参入した日本は、全員参加型経営の強みを発揮して急速に捕獲量を伸ばし、世界一の座につく。しかし“捕鯨大国日本”の賞讃はやがて“資源収奪者”への批難とかわり、ついに10年間のモラトリアムへと追い込まれる。本書は南氷洋捕鯨半世紀の軌跡と国際的資源管理の歩みを追いながら、反捕鯨の国際世論がいかに形成されたか、また資源枯渇の責任を負うべきはどこかを明らかにし、商業捕鯨再開の道を提言する。
目次
人と鯨―近代捕鯨前史
近代捕鯨の幕あけ
日本、母船式捕鯨に参入
日水・林兼の母船競争
束の間の絶頂期から壊滅へ
国際捕鯨条約と戦後捕鯨の出発
戦後捕鯨の再建過程
資源管理の会議の混迷
三人委員会と資源管理の強圧
国連環境会議の衝撃
捕鯨全国モラトリアムへ