内容説明
気温や湿度など気候条件は人間の活動に深いかかわりがある。本書では、熱帯、砂漠、温帯、寒帯、極圏、高地などさまざまな気象条件のもとで人間がどう環境に適応しているかを調べ、人間の進化のプロセスとかさねあわせて、人間の身体の適応能力とその限界を明らかにする。注目を集めている生理人類学の入門書。
目次
1 体温と気候
2 至適温度
3 耐暑性の発達
4砂漠の生活
5 皮膚の色と気候
6 気候の多様な影響
7 寒い気候への対応
8 極圏の気候への対応
9ピブロクトク
10 高地気候への適応
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
茶坊主
3
覚え書きとして 人間は、何故毛皮を失ったのか? 人類は 水生生活をするようになったカバのような海に戻った 他の哺乳類と同様に毛を失うこととなったがいつも水の上に出ている 頭だけには毛が残り 直射日光を防いだという説もある 気候に合わせた人間の進化が興味深かった 2024/05/28
MIRACLE
0
3点。気候という視点から人間の適応能力を検証した本。人間は地球規模での拡散の結果、身体の多型化が進行している(たとえば肌や髪の色)。したがって人間の気候適応能力を論じるなら、人間などというアバウトな用語を避けるべきだった。そもそもヒトは文化で環境に適応してきた。そのため気候への適応能力の差は、他の動物にくらべると、とるに足らないのではないだろうか。以上の点を配慮して論じたら、もっと良い内容になったと思う。最後に本書の章立てはジャングル、砂漠、極地、高地など単調だ。構成にも工夫が必要だろう。2012/04/15