内容説明
人間を強くかつ偉大なものとみなす古典的ヒューマニズムの代表的思想として、16世紀から17世紀のフランスにおいて1世を風靡したセネカへの徹底的批判から生れたのが『箴言集』である。パスカルと同時代に、人間を弱くはかない存在とみる全く新しい人間観を提出することで、古典的人間観にとどめをさしたラ・ロシュフーコーの、波瀾に富んだ生涯を辿りながら、箴言の生れた背景を探り、その真の味わい方を提示する。
目次
序章 武将から思想家へ
第1章 王妃の騎士
第2章 フロンドの乱
第3章 ヴェルトゥイユの隠者
第4章 『クレーヴの奥方』とともに
終章 バロック的人生観
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
22
○ラ・ロシュフーコーの箴言は好きな本であり、中学生の頃から何度も読んでは納得したり楽しんだりしていましたが、ラ・ロシュフーコーについては貴族であることしか知らなかったので、その人となりがわかって良かったです。王妃との話は笑えました。2022/05/10
韓信
0
ロシュフーコーの生涯をたどりながら『箴言集』を読み解く入門書。評伝としては内容が粗く、ロングヴィル夫人とのなれそめなど、もっときちんと解説してほしかった箇所や、サロン的恋愛至上主義との距離感など憶測を重ねて議論を展開する危うい箇所もあるが、セネカに代表されるポジティブな古典的人間観の終焉という歴史性と、恋愛や友情、死生観など、現代にも通じる箴言の普遍性を併記しており読み応えがある。とくに愛されることを愛するコケットリーを女性の本質とみなす女性観は、自分がそういう人とばかり出会ってきたので共感しかない笑2025/02/16
mimosa
0
メンタリストDaiGoさんのブログの 参考文献にあげられてました。2019/04/27