内容説明
人間を強くかつ偉大なものとみなす古典的ヒューマニズムの代表的思想として、16世紀から17世紀のフランスにおいて1世を風靡したセネカへの徹底的批判から生れたのが『箴言集』である。パスカルと同時代に、人間を弱くはかない存在とみる全く新しい人間観を提出することで、古典的人間観にとどめをさしたラ・ロシュフーコーの、波瀾に富んだ生涯を辿りながら、箴言の生れた背景を探り、その真の味わい方を提示する。
目次
序章 武将から思想家へ
第1章 王妃の騎士
第2章 フロンドの乱
第3章 ヴェルトゥイユの隠者
第4章 『クレーヴの奥方』とともに
終章 バロック的人生観