中公新書<br> 咸臨丸航海長小野友五郎の生涯 - 幕末明治のテクノクラート

中公新書
咸臨丸航海長小野友五郎の生涯 - 幕末明治のテクノクラート

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  • サイズ 新書判/ページ数 206p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121007827
  • NDC分類 289

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ワッピー

31
今野敏『天を測る』より遡上。幕末のテクノクラートの軌跡を詳しく追うことができます。友五郎は笠間藩士の子弟として生まれ、やがて和算を学び、実務に活かすうちに幕府の天文方とつながり、長崎海軍伝習所に一期生として入所、咸臨丸・航海長としてアメリカに渡って技術を視察し、帰国して国防策を献じ、正規の旗本となって活躍、幕府瓦解とともに下野するも、鉄道敷設・天文台設置、国民の初等教育、干拓事業や漁業共済制度、製塩といった広範な分野で活躍する。維新前後の歴史については倒幕勢力側からの視点で語られがちだが、⇒2022/09/02

№9

25
幕末の知られざる偉人、小野友五郎の生涯とその業績を再発見させる良書。小野友五郎という人は徹頭徹尾、実務家であった様子が伺え、派手な立ち回りや言動もなく、求められるままに様々な分野でその能力を発揮した。特に咸臨丸で小笠原群島とその先の硫黄島海域までの詳細な測量を行い実測図を作成し、それがのちの日本の領有権確定に決定的な役割を果たした経緯を読むにつけ、この人が単なる技術官僚ではなく、歴史的な使命を持ったスケールの大きな人物であったことを知らしめる。表舞台を飾る“英傑”たちの陰で、本当の仕事をした男の物語だ。2016/01/08

ジュンジュン

10
幕末と明治、二つの時代で重宝されたテクノクラート。数学に強く、咸臨丸の航海長(天測に必須)から、造船、測量、兵站、明けて鉄道敷設や塩業などに関わる。その多才な活躍も魅力だけど、一番はこの実務家から見た艦長勝海舟と通訳福沢諭吉の低評価ぶり。この遠洋航海で最も無能だった勝。出港後すぐ船酔いにかかり、到着まで甲板に出てこなかったとか。また、別の使節団の時、福沢の英語力は役に立たないだけではなく、公金を私的流用したなど。幕末の英雄や明治の偉人の素顔が覗けて面白かった。2023/06/12

KTakahashi

0
これはいい本でした。数学で人生を切り開いた人でした。なんと,新橋横浜の鉄道の測量に参加した人でした。鉄道150年のタイミングで読むことができて良かった。2022/12/24

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