中公新書<br> ある明治人の生活史 - 相沢菊太郎の七十八年間の記録

中公新書
ある明治人の生活史 - 相沢菊太郎の七十八年間の記録

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  • サイズ 新書判/ページ数 225p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121007148
  • NDC分類 289

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

印度 洋一郎

4
相模原の豪農が明治中期から昭和30年代まで毎日書き続けた日記や出納帳を元に、この時代の庶民(といっても上層)の生活を多方面から見ていく。地方の農村の地主と小作の関係、ボランティアに近い行政、教育、交通、戦争がもたらす影響、伝統の色濃い人付き合いや祭りといった習慣など、歴史の本には出てこない、生き生きとした記録だ。戦後の農地改革は、流石に地主階級故に憤懣やるかたないという反応を示している。それにしても、「小作料を滞納する悪質な小作人」から取立てに苦労する地主がいたというのも驚き。2014/05/30

編集兼発行人

1
江戸末期から昭和中期までを神奈川の農村で生きた男性が残した日記に関する解説。明治十八年から七十八年に亘り一日たりとも欠かさず綴られた膨大な記録から要所を引きながら往時における暮らしぶりや社会状況などについて識者が概略を述べるという構成。地主あるいは首長という立場から農業を通じた地域の改善に勤しむ姿を政治や経済の変動に対する所見と日常生活における家計や天候といった統計的なデータとの緻密な複合によりリアルに素描。震災や戦争をはじめ近代の我国で起こった通史的な出来事が一介の国民に及ぼした影響を多面的に垣間見る。2014/08/21

上田哲司

1
96才で亡くなるまでの78年間、一日も休むことなく書き続けられた日記(55冊)は明治・大正・昭和の農村の生活と、その間の物価の変動を知る上で一級の資料である。長年村長を務めた相沢菊太郎の日記より、「国民ハ国ヲ所有ス」明治39年、「忠臣皆無ト察ス、余ハ日本ノ国体ヲ尊重シ七生報国ヲ期セン」昭和20年終戦の日、「終生忘レ得ザル恨事件ナリ」農地改革が国会にて議決されし日。若き日、福澤諭吉の自由民権に共感し、村を守り国を守るため、終生尽力した明治の人の気概と、質素倹約を実践したその生き方に、頭の下がる思いである。2013/03/28

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