感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
39
浦島太郎が実は日本で最古層の物語であること、古い時代には現在知られているストーリーと相当違っていたことも、かつてこの本に教えてもらった。物語が文化と時代背景の産物であることから、古代と中世、下剋上の時代と、連動して変わっていく。もちろん明治以後の日本の国定教科書においてもそうであったわけである。浦島の故郷が京都府の丹後なら、一寸法師は大阪。お椀の舟で川をのぼって都に着くのだから。しかも大阪は法師の刀、ぬい針の名産地だそう。昔話の意味に深入りしていくおもしろさは抜群で、文章にも熱が入っている。熟読しました。2024/11/06
AR読書記録
2
図書館除籍本として入手。長い間、基本口承だった物語は、時代に時代に応じて中身に変化が生じていく。そして時折(古代には記紀風土記、中世には御伽草子などと)文字としても残されて、それらを比較することで、どのような変化があったのか、それは何に由来するのかを我々は検討する/知ることができる、という内容だと思うんですけど(間違ってたらすみません)。面白く読んで、あとは何せ昭和58年の本だし、それ以降の研究により古くなった部分もあるかな、と思っていたら、2006年にこの本も改稿されているようで、その変化も知りたいな!2020/03/09