感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gachin
2
分子系統前夜の書。ハッジや著者の説は(本書を読む限りは)理路が通り、花虫綱が祖先的という後代の知見とも整合的。だが、この説だと刺胞動物で中胚葉の二次的喪失を想定しなくてはならないし(なぜか不言及)、その後の分子系統を鑑みると、やはりヘッケル・マスターマン・レマネ説に軍配が挙がるようだ。生活機能を考察しながら進化経路を推定するのは(『脚・ひれ・翼...』と同様に)楽しい。が、このあたりの議論に関しては我田引水が過ぎる印象。評判ほどはエキサイティングではない印象を受けたが、僕は何か重要な視点を欠いているのか?2020/06/16