感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よく読む
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面白い、趣深い、難しい。人は昔、雑草すらない砂漠地域で牧畜し、砂漠でも育つ葡萄を育て、革袋に入れ持ち歩いた。果汁は発酵した。日本人にとってワインとは酒だ。元来は発酵した葡萄果汁であった。ワインが水と形容される意味、その食文化や風土との関わり、人為的な交易によるワインの変化、スノビズムの発展などがとても興味深い。2016/01/29
またいち
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日本人にとって異文化であるワイン文化について、文化人類学的考察を試みる書です。銘柄など、ワイン自体の知識については控えめであり、ワインに詳しくなれる書ではありません。もっとも、そのような形式的なスノビズムは、ワイン文化本来の姿ではなく、実生活とワインとの関係という大きな枠で捉えることが、文化としてのワインの実態に近づく手掛かりとなるでしょう。本書は、清酒とワインの違いや、和食とワイン文化圏の食文化の違いといった、日本人の視点から見た異文化性を示すことで、ワイン文化の実態を探ることを容易にしています。2024/10/19