感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
@第2版
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「異邦人」「変身」「人間失格」「こころ」「ソクラテスの弁明/クリトン」を主テキストとして、それぞれの登場人物たちの孤独の様相を明らかにし、連帯という方向において照射を試みる講義書。全編通して論理展開にくどい面があり、だいぶ読み疲れた。しかし、当たり前と思えることをくどくど叙述する反面、時々ハッと開眼させられる箇所も確かにあって、読み得たものは少なくないと感ずる。意外な印象としては、「こころ」の先生のことを「ただ一度の汚点だけを恐れるというのは、単純で幼稚な人生観なのである。(p139)」とこき下ろしている2020/08/16
sk
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文学作品の読解から明らかになる孤独の諸相。名著。2013/11/28
あ
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今さら読まなくともよい、そういう本ばかり読んでるなあ2016/07/10
酒井一途
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僕が深く興味を抱く、相反する二つの言葉。自己と他己を思考する上で欠かせない主題。幾つか作品の構想に繋がる文章もあり。自分の考えをより確かなものにすることができたと同時に、僕の大切にしたいところである思考の柔軟性を求めており、共感が湧いた。2011/06/24
gecko
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誰かと通じあえたと感じる瞬間がある一方で、やはり本当にわかりあうことなどできないのだと虚しくなることもある。本書は、私たちが孤独であること、すなわち「個別」であることを大前提としながらも、他者と関わりあって生きていくことについて、カミュ、カフカ、太宰、漱石らの文学作品を題材に考えていくもの。ときに役割を演じ、微妙な変身を遂げながらも私たちは、自他を完全にあざむくことはせず、相手との関係の中で生じうる前向きな変化の可能性を誠実に信じて生きるべきではないか。著者はキルケゴール研究者で、〈状況倫理〉を提唱する。2020/03/09
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