感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あーてぃる
3
昭和39年、1964年に書かれた本である。著者の時代を見通す目はなかなか鋭い。 著者はまえがきで、あきらめやすく騙されやすい民衆、宣伝の巧みな独裁志願者、演説でクーデターが阻止できると思っている民主主義者などについて、歴史の教訓を学んでほしいと書く。 クーデターの歴史は革命による近代化への道筋だ。イギリス、フランスから始まり、ドイツ、イタリア、ソヴィエト、日本、アラブと、議会民主政に移行していくに連れクーデターは起こらなくなる。この世界的流れから、現代は東南アジアがその時期にある。 2017/07/07
ソーシャ
2
西洋史家の著者が様々な歴史上のクーデターの事例を紹介し、その成功・失敗の要因を論じた新書。ナポレオン、ナポレオン三世、ヒトラー、レーニン、ナセルなど世界史でも有名な人物が起こしたクーデターを活き活きと毒舌を交えて解説しているので世界史好きの人ならとても楽しめる本です。世界史における数々のクーデターを見渡したうえで、最後に著者は二・二六事件の分析を行うのですが、なかなか辛辣な評価ですね。2017/02/26