感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kenitirokikuti
6
大学図書館にて。昭和30年代の中南米もの新書をいくつか読んでいる。『インカ帝国』(岩波新書、1959)の泉靖一は戦前の京城大学法文学部卒業、文化人類学専攻と、植民地科学な風味であったが、本書の著者は戦後の新制東大文学部卒。専攻はイベリア及びイベロアメリカ文化史。あとがきには、空襲真っ最中の東京で二束三文で売り飛ばされる洋書から、冒険小説家愛好家であったので、ハガードを求めて古本屋を歩いた、とある。アステカ王国征服については『モンテズマの娘』で知ったそうな。本書はコルテスのアステカ王国征服を扱う。2023/04/28
takao
1
ふむ2024/12/26
みんと
1
図書館で。コルテス側とアステカ側の両方の記述があって面白かったです。スペインにどういう下地があったのか多少書いてあるので、なぜアステカ文明は征服されたのかがわかりやすかったです。2011/01/11
阿部
0
スペインによるアステカ王国の侵略と破壊の歴史。とても面白い。殺戮の連続の記述なのに、読み心地がいいのはなぜなんだろう。コルテスもモンテスマも愛嬌がある。大陸を発見して浮かれるスペイン人も、いちいち神話に照らし合わせて落ち込むモンテスマもかわいい。 まだ新大陸をお互いに知らないもの同士が自分たちの信ずる信仰に従ってものを考え衝突していく様は、今やもう戻れないシンプルな世界を想像させる。2016/11/30
wei xian tiang
0
心臓を抉る凄惨な儀式は有名だが,スペイン人の記録ならば誇張や歪曲のない保証がどこにあろうか。人身御供自体は普遍的といってもいい文化である。人柱は言うに及ばず,イサクの燔祭,サンダンス,マリンドアニム族のマヨ娘,程度と廃絶年代の差こそあれ,多くの文化の古層を辿れば何かしら出てくるもの。諏訪大社の神使も嘗ては密殺されていたという。原住民虐殺,略奪,カソリック強制改宗という蛮行を正当化するために,供犠をよりおどろおどろしく描く動機が十分にある気がする。2014/05/06