出版社内容情報
考えてみれば、人に「化粧をしていますか?」と訊くのは「大便したあと尻を拭きますか?」と訊くのに似ている。
「御社にスッピン社員がいる」という取引先の一言から、塗装会社の営業部員・中村に、「スッピン女子捜し」の密命が下る!
あの手この手で同僚たちの化粧事情を探る中村。しかし、彼女には秘密があった。
実は中村自身が、人生で一度も化粧をしたことがないスッピン女子なのだった――。(ノーメイク鑑定士)
働くみんなの日常は、事件で溢れている。
気鋭の著者が綴る、新時代のお仕事小説全四篇!
【目次】
内容説明
働く人々の悲喜こもごもを鮮やかに切り取る全四篇。しんどい毎日を吹っ飛ばす、労働讃歌(!?)短篇集。
著者等紹介
石田夏穂[イシダカホ]
1991年、埼玉県生まれ。2021年「我が友、スミス」が第45回すばる文学賞佳作となり、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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- 評価
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
hiace9000
136
石田夏穂×「お仕事」が面白くならないわけがない。会社における「当たり前」や「マチズモ」へのアンチテーゼとも読み取れるシニカル目線は、「笑い」の土踏まず部分をグリグリと抉るように刺激し続け、やがて中毒性と快楽性を併せ持った読書加速機関を作動させる。建設業界、外食チェーン企業、海運輸送業、塗装用品メーカ―と、四短編の舞台となる会社自体も石田さんらしいマッチョなこだわりが。冒頭『フットブレイク』から笑い続け、よくぞそこに隠されていたニッチな笑いの種を発見してくれました!と唯一無二なる石田観察眼を称賛したくなる。2026/04/24
モルク
110
4話の短編集。お仕事小説ではあるが、パイプ椅子を利用して足裏マッサージをする「フットブレイク」、ひっきりなしにゴリゴリやっているものだから水虫持ちと誤解される、ププッ。あと残業、休日出勤が(それもサービスで)当たり前の時代に働いていた者としては、働き方改革も少しゆとりをもって融通をきかせてくれよと感じる「我らがDNA」が面白かった。表題作「ノーメイクの鑑定士」はノーメイクであることへの取引先からのクレーム。そんなことあるの?見苦しい?それっていけませんかねぇ。2026/06/09
ネギっ子gen
77
【会社員にとっての一番の敵は、上司でも部下でも通勤でも取引先でもなく、自分の体調だ】4篇のお仕事小説。デビュー作で、ボディビル大会の“舞台メイク”という女性競技者が直面する葛藤を描いた作者の流れから(営業的にも)、確かに「ノーメイク鑑定士」が表題作は正解と思うが、私の好みからは「我らがDNA」(それとも連載時の「我らが美徳、DNA」)を表題作にと思う。<気のせいではないらしい。仕事をするなするなと言われ続けて初めて目を覚ましたDNAが、強いて言うなら長時間労働を厭わぬDNAが、いま、活性化している>と。⇒2026/06/01
itica
74
からだに関する短編集と言えるかな。プラス、サラリーマンの悲哀と言うのか、組織で働く日常が淡々と描かれている。どこかにこんな人いそう、こんなこと有りそうと思うと可笑し味を感じるんだな。至って真面目なのに傍から見ると笑えちゃうような。 2026/04/30
えんちゃん
73
これぞ石田さんのお仕事小説!な短編4つ。社屋建替の為ユニットハウスで巻き起こるスリッパ騒動、外食チェーン店のガリガリ元店長とガタイ新店長、働き方改革の運送会社で残業警察に抗う男、塗料メーカーの新人マナー研修を行うすっぴん調査請負女。意味不明で摩訶不思議な社風としきたりに翻弄されるザ・会社員たちの脳内つっこみの可笑しさよ。どれも若干スッキリ終わらないところがまたリアルで笑える。ところで私すっぴんなんですという社会人女性へは何と答えればよいのかいつも困ってしまいまいます。2026/04/27




