出版社内容情報
仕事、言語、人との出会い――
海を渡ったわたしの日常が、わたしのあり方を変えていく。
舞台は1980年代ドイツ。本の取次会社で働きながら、若い女性が重ねてゆく伸びやかな体験。
読売新聞連載の最新長編小説。
【目次】
内容説明
日本を飛び出しドイツの書籍取次会社で研修生になった「わたし」。新生活の戸惑いのなか重ねるのは、多様な人たちとの身近な交流。やがてゆるやかに、未来への糸口が見えてきて…。読売新聞連載作品。
著者等紹介
多和田葉子[タワダヨウコ]
1960年東京生まれ。早稲田大学ロシア文学科卒。82年からハンブルク、2006年からはベルリン在住。ハンブルク大学大学院修士課程及びチューリヒ大学大学院博士課程修了。93年「犬婿入り」で芥川賞、03年『容疑者の夜行列車』で谷崎潤一郎賞、09年坪内逍遥大賞受賞。ドイツでは87年に詩集でデビュー。ドイツ語で書いた作品で96年シャミッソー賞、05年ゲーテ・メダル受賞したほか、フランス語、英語、イタリア語、中国語、韓国語、ロシア語などに翻訳された作品も多く、18年『献灯使』の英訳版で全米図書賞の翻訳文学部門受賞。25年にドイツのネリー・ザックス文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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rinakko
7
素晴らしい読み応え。語り手「わたし」が1980年代のドイツはハンブルクで過ごした日々に、どっぷりと引き込まれた。慣れない異国で働き始めた心許なさを抱えつつ、研修生という宙ぶらりんな立場で出会う様々な人たちとドイツ語での交流を重ね、言語と小説への希求が募っていく。カフカ、漱石、チェーホフ、ホフマン…と、幾つもの文学作品が色んな場面で引き合いに出てくるのが印象的で、本好きにとって本に纏わる記憶は、どこへ行っても自分から離れない拠り所にもなり得るということを思った。2025/10/24
Doris
2
長い、ですよね? 毎朝新聞で読みました。時々視点はずっとずっと先になるので、思い出なのでしょう。大きな事件などはなく、ひたすらドイツでの暮らし、周りの人との話が続いて、ちょっと夢の中のようなそんな感じでした。でも、飽きることもなく毎朝楽しみにしていました。連載中、色々考えさせられた事があったような気がするのですが、思い出せません。でも良い読後感でした。2025/11/16
一彩
1
新聞に掲載で ノンフィクションの要素もあるとか 心の動きが・・・2025/11/09




