出版社内容情報
この井戸は、無だ。
円い無を見詰める。
無からは、閑寂とした冷気が沁み出て来る。
――冥土から吹く風だ。
無垢な娘と満たされない侍、強欲な女の出会いが惨劇を呼ぶ。鬼才の筆で甦る「皿屋敷」怪談。著者ロングインタビューを収録。〈解説〉小二田誠二
【目次】
内容説明
無からは、閑寂とした冷気が沁み出て来る。冥土から吹く風だ。古今東西、各地に伝わる「皿屋敷」怪談が鬼才の筆で甦る。〈インタビュー〉京極夏彦『数えずの井戸』を語る、〈解説〉小二田誠二「数えなくなる日まで」を増補した決定版。
著者等紹介
京極夏彦[キョウゴクナツヒコ]
1963年生まれ。94年『姑獲鳥の夏』でデビュー。96年『魍魎の匣』で第四九回日本推理作家協会賞(長編部門)、97年『嗤う伊右衛門』で第二五回泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で第一六回山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で第一三〇回直木三十五賞、11年『西巷説百物語』で第二四回柴田錬三郎賞、22年『遠巷説百物』で第五六回吉川英治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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APIRU
8
新たな粧いを得た京極版『皿屋敷』。美しくも哀しく、遣る瀬無さが胸を打つ長編であり、読み終えて後嘆息を漏らすは必定です。何かを数える者、数えることを厭う者、数える意味を見失う者。青山播磨とお菊をはじめ、旗本屋敷の井戸を中心に六人の業が糾う。その果て、彼女は夜な夜な井戸から現れて皿を数えることになるという。怪しく悍ましくも惻隠を禁じ得ない顛末。さらにこの井戸は底無く深く、永遠の虚無を湛え、本当に冥府へと通じているように思えたものでした。どこを掬っても京極小説のフィネスが感じられ、まさに品格と風格を備えた一冊。2026/02/16
外道皇帝
3
京極の番町皿屋敷の解釈が面白い。みんな何かを数えているか、足りないか。とことんそれにこだわっている。2025/11/24




