出版社内容情報
第二次大戦の癒えぬ傷を抱く学生たちの一夏を描く初期作品から、晩年の知的企みに満ちた意欲作まで。ひたすらに真実を求める人生の陰翳を描き出す精選六篇。生誕一〇〇年記念出版。全二巻。
今回、生誕一〇〇年を記念して、この膨大な作品群から四六判二巻本のアンソロジーを編むことになった者としてみずからに課したのは、
できるだけ幅広い時期から選出すること、執筆時期や舞台が異なっても相通じる要素のある作品を二作ずつ組んで流れをつくり、その色合いと感触で陰と陽にふりわけることだった。
最初にお届けする本書『鳥たちの横切る空』に翳り「Ombre」、次巻の『竪琴を忘れた場所』に明るみ「Lumiere」と副題を付けたのはその結果である。
(堀江敏幸「空に織り込まれること――『鳥たちの横切る空』解説にかえて」より)
(目次から)
洪水の終り
聖堂まで
献身
探索者
叢林の果て
鳥たちの横切る空
空に織り込まれること――『鳥たちの横切る空』解説にかえて(堀江敏幸)
【目次】
内容説明
大戦の傷痕残るフランス小都市で、姿なき敵を探索する砂漠で、スペイン内戦下の国境の村で―。ひたすらに真実を求める生の陰翳を描き出す六篇。
著者等紹介
辻邦生[ツジクニオ]
1925(大正14)年、東京生まれ。東京大学仏文科卒業。63年「廻廊にて」で第4回近代文学賞、68年『安土往還記』で芸術選奨新人賞、72年『背教者ユリアヌス』で第14回毎日芸術賞、95年『西行花伝』で第31回谷崎潤一郎賞受賞。99(平成11)年没
堀江敏幸[ホリエトシユキ]
1964(昭和39)年、岐阜県生まれ。99年『おぱらばん』で第12回三島由紀夫賞、2001年「熊の敷石」で第124回芥川賞、04年『雪沼とその周辺』で第40回谷崎潤一郎賞、06年『河岸忘日抄』で第57回読売文学賞、16年『その姿の消し方』で第69回野間文芸賞など受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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