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出版社内容情報
裾さばきの歴史的変遷から、日本の若者を覆う同調圧力の謎を解く。
古来、Tシャツはずっと日本史の死角にあった。
日本の若者たちは、まわりの友達と同じようにTシャツの裾をさばかないと「みっともない」「ださい」と言われ、笑われてしまう世界に生きてきた。
しかし、未だかつてインとアウトの変遷や構造を説明する者はいなかった。
だから考えたいのだ。この呪いを解く方法を。
Tシャツの日本史を書くこと。
それは日本で発生した同調圧力の遍歴を書き留めることだ――
【目次】
内容説明
あなたの〈裾〉に隠された日本の同調圧力と美の仕組み。
目次
序章 ぼくらがTシャツで旅に出る理由
第1章 誕生 1868‐1955
第2章 思春期 1956‐1979
第3章 失踪 1980‐1988
第4章 反抗期 1989‐2004
第5章 黒歴史 2005‐2010
第6章 輪廻転生 2011‐2024
終章 2075年のナード・ファッション 2025‐2075
著者等紹介
高畑鍬名[タカハタクワナ]
1984年東京都生まれ。2004年、映画『紀子の食卓』に衣装助手として参加。12年、監督作『もしかしたらバイバイ!』が国内外の映画祭に入選(滝野弘仁との共同監督)。14年、早稲田大学大学院文学研究科の表象・メディア論コース修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ばう
63
著者が毎週聴いているラジオ番組のゲストとして登場して興味を持った本。Tシャツの誕生から日本での立ち位置、その着こなしの変遷が実に詳しく調べられています。労働者の仕事着、兵士のシャツ、下着だったTシャツがいかに世界中で普及していったか。そして最も重要な命題は「裾をインするかアウトにするか」。時代の移り変わりと共にタックアウトがダサく思われたりタックインがダサいと思われたりもう大変!という感想です。因みに私は体型的に問題がありインはしたくありません。2025/10/29
どら猫さとっち
11
私たちが普段から着ているTシャツ。実はそのルーツはどこから来たのか、知らないでいた。インナーとして着ているし、ライヴ会場ではツアーTシャツが売られている。いつからポピュラーな服になったのか。そんなおしゃれから紐解く、画期的な日本史。本書はTシャツの歴史そのものだけでなく、Tシャツの裾を入れる/出すで、ダサいかイケるかを論じているのが興味深い。Tシャツは奥が深い。2025/11/09
kenitirokikuti
7
日経新聞 2025.09.13 書評から。ブルージーンズにタックインした白Tシャツのルーツは『欲望という名の列車』のマーロン・ブランドや『理由なき反抗』のジェームズ・ディーンである。日本でもTシャツ姿は非常にポピュラーとなって久しいが、裾を入れるか出すかは変遷がある。学ランはインである。しかし、渋カジで出すようになり、スラダンと幽遊の主人公は連載1993年頃にインからアウトに転じる。しかし、バンカラ系学生服はインである(空条承太郎とか)。そして電子男ではタックインがあからさまなダサさのシンボルとなる(続く2025/09/15
にわ
3
日本のファッション、とりわけtシャツについての流行を戦前から現代まで見る。特にタックイン/アウト、裾の行方についてを深掘りまくってる。幽遊白書やスラダン、ルックバックなどから時代考証してるあたりめちゃくちゃ面白かった。フィクションに使われてる時代考証でこんなに裾に着目してるのは見たことない、、個人的にリアタイの裾は2018年あたりに流行ったテクニックとしてのタックイン。ここに至るまでに色んな弊衣破帽を繰り返し逆張りながらの歴史があると思うとエモい。あと川久保怜最強ってことか。ギャルソン着てみたい。2025/11/17
K.C.
3
自分自身はタックアウトが格好いいと思っていた時代。社会人になってすぐ、同期にタックインしていたシャツを引っ張り出された記憶がある。トラウマのように、タックインはほとんどしなくなった。一周回って元に戻るとされるファッションの流行。筆者もよくここまで丹念に調べたものだと感服する。将来はどうなるのか。2025/09/26
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