出版社内容情報
父はラストエンペラー溥儀の実弟、母は日本の侯爵家令嬢。
敗戦後、わずか5歳で動乱の大陸をさすらい、命からがら引き揚げてくるも父の行方は知れず……
歴史的一族に生を享け、激動の日中間を生きた女性の半生を描く
【戦争の記憶が遠ざかるいま、亡き人々への鎮魂と、平和への祈りを伝えるベストセラーの増補復刊!】
【目次】
内容説明
父は満州国皇帝・溥儀の実弟、母は日本の侯爵家令嬢―日満親善の子として生まれ、5歳で動乱の大陸をさすらい、激動の日中間を生きた女性の稀有な半生。戦後80年、歴史証言の増補復刊。
目次
プロローグ 魂の皇女の物語
第一章 幻影
第二章 流転の子
第三章 再会
第四章 母、妻、そして娘として
第五章 命さえあれば
エピローグ
補章 遠き声を次代へ
著者等紹介
本岡典子[モトオカノリコ]
ノンフィクション作家。1956年生まれ。関西学院大学卒業。「戦争の世紀」を描く歴史ノンフィクションに力を注ぐ。本書を機に愛新覚羅一族の歴史資料保存と展覧会開催にも尽力。元ニュースキャスター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆうぴょん
2
図書館新刊から。ラストエンペラー溥儀の弟溥傑家族のまさにドラマティックとしか言えない長文のルポ。第2次世界大戦下の中国、韓国との縁を結ぶために皇族が政略結婚という時代だったことからまだ100年もたってないことに驚く。幸いなのは政略結婚でも愛があふれた家庭だったことだけども。1年半にも及ぶ流転の日々、戦後も戦犯となった父とは15年以上も会えず、姉の死、ようやく訪れた安住の日々に襲う文化大革命の嵐。 そのなかでも高貴な心は忘れず、しかし非凡な人生を平凡に生ききる最後の皇女の姿こそが凄いと思う。2025/09/13