出版社内容情報
大好きだった児童文学やドーナツの思い出、“タメ口おじさん”や古くさいマニュアルへの違和感。私たちを勇気づけるエッセイ集。
内容説明
いつも一緒だった。彼女たちが教えてくれた、私の人生を守る方法。石井桃子、大島弓子、長くつ下のピッピ、ドラマの中の闘う人、母と作ったクッキー、カフェで一人過ごす女性…。新聞・雑誌で反響を呼んだ10年分のエッセイ。
目次
1 時々、外に出ていこう(「さすがにこれは」;担当者;公認「ビリヤニ女」 ほか)
2 「当たり前」の痛みにさよなら(「お忙しいみたいで」;古くさいマニュアルのお店で;心で握手 ほか)
3 彼女たちに守られてきた(彼女たちに守られてきた;青山みるく先生と『すてきなケティ』;ドラマ『悪女』に見た希望 ほか)
著者等紹介
松田青子[マツダアオコ]
1979年、兵庫県生まれ。同志社大学文学部英文学科卒業。2013年、デビュー作『スタッキング可能』が三島由紀夫賞及び野間文芸新人賞候補となり、14年にTwitter文学賞第1位。19年、短篇「女が死ぬ」がシャーリイ・ジャクスン賞短篇部門の最終候補に。21年、『おばちゃんたちのいるところ』がレイ・ブラッドベリ賞の候補となったのち、ファイアークラッカー賞、世界幻想文学大賞を受賞し、23年、日伊ことばの架け橋賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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pohcho
57
新聞、雑誌などに掲載されたエッセイをまとめたもの。三章に再構成されていて、章を追うごとに面白くなっていくような感覚。本や映画もたくさん紹介されていて、「トランペット」は是非読みたいと思う。フェミ系の話題ばかりだと思っていたら、庄野文学もお好きなんだとか。「インド綿の服」読みたいな。松田さん、ますます好きになった。2025/04/22
阿部義彦
19
松田青子さんの最新エッセイ集。出たばかり、今でも「子どもの人」と言う言い方には、慣れないのですが。今回のエッセイ、テーマ別のⅡの章、主に身の回りの何気ないジェンダー差別を扱ったのが、男の自分にはかなり目を開かれる体験をもたらし、他山の石にしたいと思う事ばかりでした。例えば二人以上で食事をした場合、仕事だとはっきりわかる場合はお店の人は編集者の方へ勘定書を置いたが、それ以外の場合は勘定書にしろ取り分けのスプーンにしろ、中立地帯である真ん中に置かれる事が殆どだった。『古臭いマニュアルのお店で』Σ(⊙ω⊙)等2025/03/29
えつ
11
松田青子さんの新刊。2015年から2024年に書いてきた作品をまとめたもの。前作以来の「子どもの人」。やっぱり最初は違和感あるんだけど、本当に「子どもの人」、なんだよなぁ…。誰のための美術館では、絵本の原画展の話だったけど、確かに子ども目線に作品って飾られていないかも…。言われてから気付く違和感。あと、「しあわせは食べて、寝て、待て」についても触れられていて、いまちょうどドラマやってるし、タイムリーだなって思った。韓国文学も興味あるけど、忘れてた作品について触れられていた!読んでみなくちゃ。2025/05/06
コンチャン
9
10年くらいの間に様々な媒体で綴られてきたエッセイがまとめられた一冊です。長い期間になっていますが、著者の女性性の捉え方とか、世間一般とのギャップなんかはずっと共通して書かれている印象を受けました。あと、著者が読まれた作品も魅力的に紹介されていて、そちらも読んでみたくなりました。2025/06/01
そうたそ
7
★★☆☆☆ 方々に発表したエッセイを集めたもの。話題も豊富で読んでいて飽きることがないが、どうやっても"子どもの人"という呼び方に慣れることができなかった。無論、著者なりの考えはあるのだろうけれど。2025/04/23