出版社内容情報
故郷を滅ぼされ、復讐のため後宮へ上がったハウファは、不死身の光神王を倒す法を求め、文書館の地下深くに隠された建国の秘史に至る。やがて彼女は神宿の御子を産むが、同じ日に第一王妃のもとにも王子が誕生していた……。多崎礼、もうひとつの革命の物語。
中公文庫『夢の上 夜を統べる王と六つの輝晶 2』を改題し、書き下ろし番外短篇「輝晶の欠片 伴走者の遺言」を新たに収録。
内容説明
光神王を暗殺するため後宮へ上がったハウファは、文書館の地下深くに隠された建国の秘史に迫る。書き下ろし短篇「輝晶の欠片 伴走者の遺言」を収録。
著者等紹介
多崎礼[タサキレイ]
2月20日生まれ。2006年、『煌夜祭』で第二回C★NOVELS大賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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misa*
36
光神王を暗殺するため後宮へと上がったハウファの復讐魂には、途中途中で涙が滲んだ。そして今作も身分の差を突きつけられる恋模様。言葉にしたいのに伝えられない、伝えたらいけないといった迷いの想いが溢れていて読んでるこちらも胸が苦しくなる。そして多崎さんの作風といってもいい、どん底から這い上がる泥臭い強さと野望には息をのんでしまう。愛するものを救うため、己を導くため、後悔も過ちも、みんな自分の一部だ。どんなに愚かで醜くても、これが私だ!と向かっていく様は素敵すぎる。揺れ動く人間ならではの感情が壮絶に描かれている。2024/10/16
よっち
33
故郷アウニール領を滅ぼされた復讐のため、光神王の後宮に入ったハウファ。王を殺せるのは王の子のみと知らされ王の子アライスを産む第2弾。ハウファにより明らかになってゆく過去、同じ日に第一妃にも王子ツェドカが生まれてしまい、アライスとツェドカを育む複雑な心境の結末。そしてイズガータとアーディーンの関係性に似ているアライスとダカールのエピソード。結ばれない身分差の恋にはなかなか辛いものがありますが、物語が核心に迫る中でダカール視点のエピソードは影憑きについて語られていて、これはこれで印象的なものになっていました。2024/10/08
sak
6
多崎先生は悲劇を生み出すのが上手すぎる……😭 しかもただの悲劇じゃなくて、絶妙に希望を添わせるんだ。だからこそ悲劇が引き立つんだ……😭 上げてから落とすだけじゃなく、落としてから上げるのも上手い。 おかげでコチラの情緒はボロボロよっ……😫 絶望で終わったかと思われた二巻。 でも書き下ろしのアレは希望と見ていいんですよね⁉️ いや〜、すんごい分厚い本なのに、あっと言う間に読んでしまった。 引き込む力が半端なかった。 次巻で完結だと思うけど、読むのが楽しみでもあり、怖くもある……。2025/02/11
MERIKO
6
夢の上1巻でのあの日あの時、彼らはこんなふうにに思っていたのか、あの時の戦いの裏ではこのようなことが起こっていたのか等、物語の繋がりが絶妙で本当に面白い。ファウアが復讐のためアルティアとともに命尽きるまで戦う姿は素晴らしかった。 アライスとダカール。イズガータとアーディンの似通った2組の切ない関係が胸を締め付ける。ダカールにはアーディンとは違う選択肢があれば良いと心から願ってやまない。 最後のサフラの遺言にすごく感動した。 一人一人が懸命に生きている姿が美しく素敵だ。2024/12/31
YABI-chan
4
故郷と愛する人を失い復讐のため後宮へ上がったハウファ。美しく聡明で強さも兼ね備えていてイズガータと違ったかっこよさに今回も引き込まれた。もう一編はイズガータの従者でもあり、ハウファの娘アライスを支える影付きのダカール。まるでアーディンとイズガータを見ているようで切ない。どちらの葛藤もわかる。想いは同じはずなのに互いの夢と現実は交わることがない。番外短編の伴走者もたまらなく良かった。3人目の母としてずっと見守っていてくれたんだね…前作で影のことをわかっていたつもりだったけど今回の影は人間味が強くてすごく好き2024/11/17