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出版社内容情報
豪華絢爛、大唐帝国を魔改造せよ――ラッパー李白が、怪獣パンダが、キチン質の李世民が、空海が、三蔵法師が大暴れ! 日本と中国の8作家が織り成す、国境を越えた奇跡のアンソロジー
「本書の目玉はもう一つ。中国と日本のSF作家による競作にチャレンジしたことである。本格的な日中競作のSFアンソロジーが日本で出版されるのは今回が初めてと思われる。日本の作家に唐代SFが書けるのか。そんな心配は無用だ。(中略)この先には激動の歴史と数多の物語、そして現在と未来を燃料に、新しい世界に到達した珠玉の唐代SFが待っている。ぜひページをめくって、編者が自信を持ってお勧めする八作を堪能してほしい。」(「序」より)
【目次】
序 大恵和実
「西域神怪録異聞」灰都とおり
「腐草為蛍」円城塔
「大空の鷹――貞観航空隊の栄光」祝佳音(林久之 訳)
「長安ラッパー李白」李夏(大久保洋子 訳)
「破竹」梁清散(大恵和実 訳)
「仮名の児」十三不塔
「楽游原」羽南音(大恵和実 訳)
「シン・魚玄機」立原透耶
編者解説「八岐の園そぞろ歩き」 大恵和実
内容説明
豪華絢爛!大唐帝国を魔改造せよ。ラッパー李白が、怪獣パンダが、キチン質の李世民が、空海が、三蔵法師が大暴れ!日本と中国の8作家が織り成す、国境を越えた奇跡のアンソロジー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
小太郎
33
この本はジャケ買い。題名も「長安ラッパー李白」って惹かれました。日本と中国の8人の作家のアンソロジー。こちらの予想とはずいぶん違う内容でしたが楽しめました。この中では円城塔「腐草為蛍」祝佳音「大空の鷹ー貞観航空隊の栄光」がお気に入り。特に大空の鷹はスチームパンクじゃなくて牛筋パンク!なんと牛筋の捻じれを動力とする超音速飛行機の空中戦は圧巻。歴史改変ものとしても色々なネタ満載で 正に快作(怪作)。★3.52025/03/19
ひさか
24
2024年9月中央公論新社刊。灰都とおり:西域神怪録異聞、円城塔:腐草為蛍、祝佳音(林久之訳):大空の鷹-貞観航空隊の栄光、李夏(大久保洋子訳):長安ラッパー李白、梁清散(大恵和実訳):破竹、十三不塔:仮名の児、羽南音(大恵和実訳):楽游原、立原透耶:シン・魚玄機、の唐の時代テーマにした8編の別史、錯史アンソロジー。灰都さんの三蔵法師玄奘がめぐる唐代の改変された世界観が秀逸で好み。円城さんの人ではないものが登場する唐の世界も魅力的だ。立原さんの女性バディものも素敵で良かった。2025/02/28
本の蟲
16
世界史やっていた学生時代に読みたかった。杜甫に李白、律令制度に遣唐使、安史の乱等、色々うろ覚えなのが勿体なかった唐代SFアンソロジー。日本人でも漢詩の美しさはわかるが、母国語ではラップ調と本来の詩の違いを一層楽しめただろう表題作。よく考えるとパンダって相当変な動物だよね、な「破竹」。森鴎外の短編や『太平広記』に興味がわいた「シン・魚玄機」がお気に入り。ドラマで話題になった『SYOGUN』原作本読んだ時にも思ったが、世界史では遅れて登場した日本。海外作家も日本の時代物書いてくれんか2024/12/20
かふ
16
漢詩から興味を引いて図書館で借りた。李白のラッパーは当たり前すぎるが、李白の漢詩も引用されてその訳がラップ調で、李白好きなら読んでも面白いかも。中国史(詩)のSFアンソロジーということなのだが唐の時代は歴史的にも面白い。『破竹』は安禄山の乱の頃の話で唐の朝廷が密使(スパイ)を送り込み、そこで出会うのがパンダの化け物で祥獣(ショウジュウ)であるとされる。パンダの糞で作った仕様書で敵を襲う怪獣になる。安禄山の風体がパンダ体型なのかと思うとパンダを兵として操るというのはあるかもしれない。2024/11/08
緋莢
12
図書館本。中国の唐代を舞台にした作品を、中国SFから四編(書き下ろしは一作)、日本んSFから四編(書き下ろしは三作)収録したアンソロジー。618年に成立し、907年まで存続、玄宗や李白など、馴染みのある人も多いので作品にしやすいのかな?と思いました。孔明は死後、現代渋谷でパリピになりましたが、李白は生きている時代に ラッパーに…といっても、内容紹介に<史実とかけ離れた奇怪な長安>と書かれていますが(続く 2024/12/16