出版社内容情報
この作品がなければ『レーエンデ国物語』は書けなかった(多崎礼)
輝晶が語り出すのは、光神王の圧政に夜明けを夢見た人たちの物語――ささやかな幸せを願いながらも、死影に憑かれた領主の妻が、宮殿から逃げ出してきた王子に托した夢(「翠輝晶」)。望むものすべてを手に入れてきた騎士団副団長・アーディンの唯一叶わなかった夢(「蒼輝晶」)。中公文庫『夢の上 夜を統べる王と六つの輝晶 1』を改題し、書き下ろし番外短篇「輝晶の欠片1 永遠の誓い」を収録。
内容説明
その王国には空がない。光神王の圧政に、夜明けを夢見た人たち。この作品がなければ『レーエンデ国物語』は書けなかった(多崎礼)。中公文庫版に書き下ろし短篇を収録した完全版。
著者等紹介
多崎礼[タサキレイ]
2月20日生まれ。2006年、『煌夜祭』で第二回C★NOVELS大賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
misa*
42
文庫であるのは知っていたけど、今回改めて単行本で書き下ろし短編も、地図もついているということで楽しみにしていた作品。やっぱり!といっていい程、多崎さんの世界観は圧巻で、登場してくるキャラ達も憎めなくて愛らしさもたっぷりなのに、とにかく諦めの悪さが凄くて頑固者!そして人を想いやる気持ちが強くて優しい。読んでるこちら側まで勇気や昂る感情を抑えられなくしてしまう。どんだけ底に落ちていったとしても決して諦めない。愛する人達が傍にいるから。夢の上…これから続く世界を早く知りたい!2024/08/12
よっち
32
六つの輝晶は叶わなかった六人の夢。王に謁見した夢売りによって語られる翠輝晶を巡るファンタジー。夫オープとのささやかな幸せを願いながら死影に憑かれていたアイナの物語と、数奇な運命の元に生まれて二人の子となったアライス、彼女が繋ぐ女騎士イズガータとアーディンの物語で構成されていて、逆境でも彼と共にあったアイナの幸せ、そしてアーディンたちの報われない想いと、形は違いますが深い愛を感じるエピソードでしたね。彼女らに育てられたアライスがこれからどんな人生を歩むのか続巻が楽しみですし、書き下ろしの短編も良かったです。2024/09/02
ぐりとぐら
18
壮大なファンタジーの幕開けを感じる1巻。幕開けなんだけど、その世界で生きてる誰かの人生が丁寧に切り取られていて、まるで自分がその人生を生きているように読めるつくりになっており、没入感がすごい。1話目のアイナの話が特に好きで、後半は号泣してしまった。強く賢く美しく愛情深いアイナ、生き方がかっこよすぎ。ほかも出てくる登場人物にすてきな人が多く、一生懸命に生きている彼らを愛さずにいられない。続巻が楽しみ。(昔からのファンはお目が高いなぁ)2024/10/13
みやび
13
この作品がなければレーエンデは書けなかったと帯にある。確かに所々にレーエンデを彷彿とさせる所はあるけれどこれはまた別の世界の物語。叶わなかった人の夢が宝玉になる。それは儚くそして美しい。空のない王国、日の光の射さない空の下でそれでも人は夢を見る。たくさんの夢があるけれど叶う夢はほんの僅か。与えられた使命の為自ら夢を手放す者もいる。叶わなかった夢の話は切なく寂しく何度も心震えた。一人の一人の小さな夢がやがてこの国をどう変えていくのかこれから先の展開からも目が離せない。2025/02/12
ichi
8
【図書館本】読み始めは、なかなか入り込めなかったですが、次第にファンタジーの世界に引き込まれ一気読み。シリーズとして続いていくようなので、追って読んでいきたい。2024/10/24