出版社内容情報
話題の作家・保坂祐希の新作は、シニア女性版『あらしのよるに』!?
佐伯真理子(76歳)は、台風の夜、庭に倒れていた加代(73歳)を助け、しばらく一緒に住むことに。
節約、節制を続け、面白みのない毎日を過ごしていた真理子にとって、破天荒で、金遣いも豪快な加代の存在は、新鮮で刺激的!
ずっと一緒にいたいと思った時、加代の正体が判明する。
なんと加代は、真理子が30年間、恨み続けた存在で……?
内容説明
佐伯真理子(76歳)は、台風の夜、庭に倒れていた加代(73歳)を助け、しばらく一緒に住むことに。節約、節制を続け、面白みのない毎日を過ごしていた真理子にとって破天荒で、金遣いも豪快な加代の存在は、新鮮で刺激的!ずっと一緒にいたいと思った時、加代の正体が判明する。なんと加代は、真理子が30年間、恨み続けた存在で…?
著者等紹介
保坂祐希[ホサカユウキ]
2018年『リコール』(ポプラ社)でデビュー。大手自動車会社グループでの勤務経験がある。社会への鋭い視点と柔らかなタッチを兼ね備えた、社会派エンターテインメント注目の書き手(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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starbro
181
保坂 祐希、初読です。タイトルと表紙イラストから、最近増えている高齢者ユーモア小説かと思いきや、実は新型家族の群像劇、最期は感涙作でした。保坂 祐希の他の作品を、機会を見つけて読んでみたいと思います。 https://www.chuko.co.jp/tanko/2024/06/005797.html2024/08/01
いつでも母さん
145
長生きはしたくない。夫を残しては逝かれない。その時のお財布事情は・・などと好き勝手言う私。そんな都合よくいかないとは思いつつ、おひとり様になる時のことを想像するのは詮無いこと。元気で後期高齢者を生きたいのは誰しも望むこと・・はあ、語りだせばキリがないね。だけど、いや、だから真理子さんの『寂しさ』が胸に迫る本作。一人の寂しさと二人が楽しかった後の寂しさはかなり違うよね。真理子さんと加代さん、面白おかしく、ちょっぴり切なくほろっとして読んだ。30年間恨み続けるって凄いよ真理子さん(そこ?)2024/07/10
モルク
110
30年前夫が出ていき離婚、以来独り暮しを続け保育園を定年退職してからは先を考え節約生活に徹していた75才の真理子。台風の夜庭にいた加代を助け奇妙な同居生活が始まる。真理子の節制生活に「明日死ぬかもしれない」と豪快な金銭感覚の加代。真理子に加代が欠かせない存在となった時加代の正体が判明する。なんと、憎っくきあの女だったのだ。どうする真理子?タイトルから二人の関係性は想像できるが自分勝手に思えた加代の真実、そしてその後の二人に感涙。思った以上にハートフル。たったひとつのミニトマトの赤い色が目に染みる。2024/08/26
ネギっ子gen
64
【若い女と結婚してすぐに子供を作った夫のことが、今でも許せない】これまたキャッチーな表題。76歳の真理子は台風の夜、庭に倒れていた73歳の加代を助けて一緒に住むことになる。破天荒な加代は刺激的で、ずっと一緒にいたいと願っていたら――。で、その加代が常に持つ巾着袋の中身が……。真理子の思い。<いっそ憎みたかった。憎んで、嫌いになって、忘れてしまいたい。そう思っているのに、泣きだしそうになっている。私は今まで孤独に鈍感なだけだったのだ。寂しい、なんて感情を抑えられなくなってしまったのも、加代のせいだ>と……⇒2024/09/09
さぁとなつ
62
何となくはじめからふたりの女性の関係が予想できる書きぶり それでも続きを読み進んでしまうテンポの良さと二人の会話 真理子さんの孤独な節約ルーティンが何故か目に見えるくらいの生活感 それに真っ向対決する天真爛漫な加代さん 呆れたり笑い合ったり、ふたりのおばあちゃんが寄り添いながら過ごした3週間(もう少し短い?) 映画やシーズンドラマにはちょっと無理があるけれど、TV2hドラマだといいかもなどと思いました じゃぁ配役は?と考え、真理子さんは宮本信子さん、加代さんは渡辺えりさんはどうかな? 脇役は考え中です2024/10/03