出版社内容情報
海外で荒稼ぎして帰国した詐欺師の藍は、ある政治家のパーティーで知り合ったみちるに興味を抱く。みちるは親の仇を捜しており、そのために金がいるという。仇とは、世界的企業に成長した戸賀崎グループ筆頭株主の戸賀崎喜和子。隙だらけの復讐計画を聞いた藍は、みちるに協力することになるが……。
稀代のストーリーテラーが贈る、衝撃のラストにご注意を。
内容説明
海外で荒稼ぎして帰国した詐欺師の藍は、ある政治家のパーティーで知り合ったみちるに興味を抱く。みちるは親の仇を捜しており、そのために金がいるという。仇とは、世界的企業に成長した戸賀崎グループ筆頭株主の戸賀崎喜和子。隙だらけの復讐計画を聞いた藍は、みちるに協力することになるが…。
著者等紹介
川瀬七緒[カワセナナオ]
1970年福島県生まれ。デザイナーの傍ら小説執筆を開始し、2011年『よろずのことに気をつけよ』で第57回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。21年『ヴィンテージガール仕立屋探偵桐ヶ谷京介』が第4回細谷正充賞を受賞し、22年同作で第75回日本推理作家協会賞長編および連作短編集部門候補となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
226
題名に偽りあり。2人の女詐欺師の出会いから壮大なコンゲームに発展するかと思いきや、みちるの復讐を藍が手助けする話だとは。その復讐の手段や方法が複雑怪奇で、偶然頼りが目立つなどプロらしからぬ有様。また敵の内懐にもぐり込んでも、相手の家の中で盗聴されるのを考えもせず犯罪計画を大声で議論するなど犯罪者としての自覚に欠けている。しかも後味の悪すぎるラストは、はっきり言って読まなければよかった。川瀬作品はユニークな登場人物が奇妙な道具立てで物語を引っかき回すのが魅力だったが、その全てがあらぬ方向へ暴走してしまった。2024/06/14
修一朗
149
川瀬さん、今度は野菜蘊蓄系ミステリをやるのかしらね。本職の服飾ミステリや閉鎖的な田舎をモチーフにしたミステリ、虫系統に比べると弱いね。伏見藍さんの過去もわからないままなので続編ありそう。みちるさんの特殊技能設定が安易だ。これができたら手間暇かけて仕掛ける必要ないもの。殺人者の顔は白く見える少女、なんてのと同じ設定だ。続編あるとしたらその時は伏見藍さんのキャラ(超大金持ちで金に糸目をつけない、でかいコンゲームをしかける、で野菜がカギ)を存分に駆使したお話がいいね。でも本音は老人や服飾や虫のお話が読みたいな。2024/10/15
hirokun
134
星3 詐欺師と詐欺師という題名に興味を惹かれ読み始めたが、私の想像した展開ではなかった。読み易い文章とリーダビリティで最後まで読み進めていったが、ラストの種明かしは些か興ざめ。とってつけたようなラストは推理小説としてはあまり後味の良いものではなかった。2024/06/18
Karl Heintz Schneider
129
33歳の藍と27歳のみちるは詐欺師コンビ。彼女たちが狙うのは悪どい金持ちばかり。若さで突っ走るみちると常に冷静な藍。見事なコンビネーションで男たちを手玉に取る。しかし、みちるがこの世界に足を踏み入れたのには過去の辛い出来事があって・・・。面白かった!これぞ川瀬さんという一冊!スピード感あふれる展開にページをめくる手が止まらない。彼女の本を読むのはこれで5冊目だが、今のところハズレはない。これからも追いかけ続けたい作家さんだ。2024/07/16
タックン
126
題名通りの詐欺師が騙し合うコーンゲームの話かと思ったら全然違った。それを諦めて読んでっていったら復讐の話だった。 それにしても最後はめちゃくちゃで何が何だかわからんかった。これぞ騙し合い・・・・2024/07/15