出版社内容情報
「情けない人生でした」――器用に生きていた後輩の死、海で溺死した父……岸本佐知子氏、能町みね子氏推薦!忘れられない喪失の記憶を炙り出すエッセイ集
内容説明
後輩の自死、絶叫の葬式、残高3万円で死んだ父―
目次
針中野の占い師
父の死、フィーチャリング金
こりゃ死んどるね
じゃあ明日
永遠の保留
ごめんね
101まで生きる/生を奪われる
人生はまだ動いているわけだから
天国からの着信
気づけなかった記憶
種子島へ
完結はしない
対談 岩井秀人×前田隆弘―死なれちゃった経験を語ること
著者等紹介
前田隆弘[マエダタカヒロ]
1974年福岡市生まれ。フリーランスの編集者・ライターとして、インタビューを中心に精力的に活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケンイチミズバ
67
ウクライナやパレスチナの状況を動画で見ているからかも知れない。事故死も自殺も含め日常の死を見たような気がした。死んだ人への責任については考えさせられる部分もあった。パニック状態の女性に責任を感じ過ぎてはならないと説得した元カレの両親の正しい判断。当たり前だけど正しい。転落した女性を見ていた警備員、おそらく無責任なアルバイトのありゃ助からんなと口にした態度の酷さ、救助隊を呼ぶ必要があったのに救急車しか呼ばなかった昭和のいい加減さ。事故死した父親の預金残高3万円の呆れ。身近な死がルポ的にまとめられている。2024/04/09
espoir
6
先日応援していた藤岡康太騎手が落馬事故で亡くなったことを受け、この本を読むのは今だと思い積読本の中から手に取った。岸本さんが帯で書かれていたように読ませる文章であったが、今の私にはどのエピソードも心に重くのしかかった。自ら死を選んだ人、本人も望まぬまま突然死んでしまった人、病気で死んでしまった人、死に方によって残されたものの受け止め方も変わる。祖母にも会いたくなった。いつも優しいゆえにみんなに"なめられてる"という言葉にぎくっとした。私も心のどこかで祖母をなめているところがあるのではないか。2024/04/13
umikaze_nagiko
2
「死なれちゃったあとで」 思うことはある。 それなりに覚悟ができていた死ならまだしも、突然の死の通知は自分の中で消化しきれないことがある。 そんな時は吐き出せばいいのか。 悲しかったよ。辛かったよ。 また会いたいな。2024/04/15
zakuro
1
まだ若いのに随分と周りの人が死ぬ人だなあと思った。ライター周りの人って不摂生な人が多いのか?久保みねヒャダで久保ミツロウが突然泣き出した回、観てた。どんな付き合い方してたらこんなふうに友達(赤の他人)に泣いてもらえるんだろうとポカンとしながら観ていた。今私が死んでも、あんなふうに泣いてくれる友達(赤の他人)なんていない。そもそも友達がいない。その時出演していた筆者も憶えているけど、なんか下ばっか向いている暗い人だなあと思った記憶がある。いっぱい死なれちゃってる人だからなんだとこの本を読んで納得した。2024/04/21
to-monica
1
タイトルと帯(能町さんと岸本さん)に強烈に惹かれて。周りで起きた「人の死」がテーマなエッセイだけど、身の丈というか日常というか。「(死の恐怖を)いまだに引きずっている」という前田さんだからこその切り口、私はとても好きでした。危口さんの一文(何かできるものは…ないのだ)を知れたのが収穫。久保みねヒャダと雨宮さんのエピソードもしみじみ良かった。推し、ではなく強烈なのは3千円おばさん。今後も手元に置いておきたいデトックス本です。2024/04/11