出版社内容情報
国鉄改革から35年を経た今、官と民の狭間でJRは苦悶を続けている。歴史を踏まえて、JR7社の直面する課題を読み解き、人口減少時代と対峙する現在とこれからを展望する。
内容説明
人口激減!不採算路線公表が突きつけるリアル。物流危機、自然災害、新幹線とリニアの今後…多くの難題と対峙する巨大グループの軌跡と現在地。
目次
第1章 限界―公共交通機関のジレンマ
第2章 転機―国と歩調を合わせられるのか
第3章 分割―民営化の光と影
第4章 新幹線―岐路に立つ高速鉄道
第5章 在来線―有事も見据えた存在として
第6章 東日本―グループの「長男」と地方創生
第7章 西日本―迫られる将来像の再考
第8章 東海―「新幹線一本足打法」からの転換へ
第9章 九州・北海道・四国―持続可能な鉄道に向けての苦闘
第10章 貨物―物流危機に立ち向かうために
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
TAKA0726
13
国鉄分割民営化から36年が経過。この年月は国鉄が存在した期間とほぼ同じ。コロナ禍での乗客減少、地方の人口減少により苦境に立たされる鉄道業界の現状。新幹線財源問題、リニアの延期、赤字路線、相次ぐ自然災害で被災しても復旧できない現状も読んでいて頭が痛い。国鉄の累積債務が国民負担を招いたことから国の予算は限られ、その大半は整備新幹線建設で在来線は寸断。諸外国では鉄道は道路と同じ社会の重要なインフラで、JR各社の経営自立性を尊重しつつ国の関与を強めていく時期に来ているのでは。タバコ特別税が国鉄の債務返済を知る。 2024/03/10
ミガーいち
3
国鉄からJRになって、何が起こったか、今後どうするべきかがよくわかった。星42023/12/27
kentake
3
今から36年前に国鉄が分割民営化され発足したJR各社は、 発足からしばらくの間は、本州3社を中心に順調な経営を続けるなど、民営化の成功例と言われてきた。しかしこの間、少子高齢化による人口減少や、地方部における高速道路網の充実により、各社の経営環境は少しづつ変化し、様々な課題が生じつつあった。2020年から始まるコロナ禍により、それらの課題が一気に顕在化し、各地で赤字ローカル線の存続議論が巻き起こるなど大きな転換点をむかえている。 多方面への取材をもとに、JR各社の状況が分かりやすく紹介されており面白い。2023/12/13
takao
2
ふむ2024/01/27
お抹茶
1
JRの焦燥感が伝わる。国鉄債務を国民に負わせた反省から,鉄道局の予算は国交省全体の2%で,鉄道業界に赤字補填はしないというのが旧運輸省の憲法。新幹線の建設財源は,貸付料とは別に国の財政投融資資金を前借りするという「禁断の果実」で埋め合わせをする。JR九州が会社発足当初からあらゆる事業に挑んできた文化は,首都圏での不動産業や飲食業や車両基地工事など他地域進出への原動力。民営分割の旗手・井手元JR西日本会長のインタビューもあり,国鉄改革の舞台裏も記す。分厚い本ではないが,JRのリアルがわかり読み応えがある。2024/03/26
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