出版社内容情報
100年の歴史とそこにある中国的思考・中国的権力の神髄とは――。今秋、第20回党大会が開催され、習近平党総書記が異例の3期目に入ると予想されることから、今後の中国の動向をうかがう手がかりとして注目が集まっている。本書は、80年代に政権ブレーンだった著者が、党大会を政治学の切り口から分析し、「権力の劇場」と結論づけた代表作。
内容説明
中国共産党100年の歴史のなかで、毛沢東から習近平にいたる権力者たちが築きあげた、形だけの「最高指導機関」の謎を解き明かす。一党支配の「正統性」はどう作られ、守られてきたか。世界で初めて中国共産党大会を「制度」として分析。第20回党大会を解説した日本語版のための補章を収録。
目次
第1章 権力の劇場としての党大会
第2章 操作される制度と儀式化される正統性―権威主義政治の正統化に関する理論
第3章 「団結のための大会、勝利のための大会」―党大会運営の政治手法
第4章 政治的原則と権力の実践の間で―党の綱領の制定と改定
第5章 規範と運用―政治のなかの党規約
第6章 独裁の道具としての選挙―形式主義的投票の巧緻さと煩わしさ
第7章 権威主義体制の偽りの正統性と民主主義体制への移行という幻想
中国語版補記 第十九回党大会における新たな制度の分析
日本語版補記 制度の意味と権力の効果―第二十回党大会を分析する
解説 権力が正統性を創る中国政治
著者等紹介
呉国光[ゴコクコウ]
スタンフォード大学中国経済・制度研究センター上級研究員。1957年中国・山東省生まれ。北京大学卒業。86年、中国共産党機関紙『人民日報』評論部から、趙紫陽総書記の下で、中央政治体制改革検討チームに参画、翌年の第十三回党大会の報告作成作業に携わる。89年の天安門事件直前に渡米し、ハーヴァード、コロンビア、プリンストン各大学に留学し修士、博士号を取得。香港中文大学政治・行政学部准教授を経て、2004年からカナダのヴィクトリア大学政治学部、歴史学部教授を務める。2022年9月より現職
加茂具樹[カモトモキ]
慶應義塾大学総合政策学部教授。1972年生まれ。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科博士課程修了(2003年)。博士(政策・メディア)。2001~03年、在香港日本国総領事館専門調査員。2016~18年、在香港日本国総領事館領事を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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