出版社内容情報
私だけの完璧な相棒を端末にダウンロードできたら、友達なんていらない!? でも現実の恋や夢は万能AIにも計算不能で……。生まれたときからAIに囲まれて育ってきた主人公たちを描く。『狼と香辛料』の支倉凍砂が初めて挑む青春ストーリー!
内容説明
生まれたときからAIに囲まれて育ってきた「私」たち。『狼と香辛料』の支倉凍砂が初めて挑む青春ストーリー!全五話。
著者等紹介
支倉凍砂[ハセクライスナ]
1982年生まれ。作家。2005年、『狼と香辛料』で第12回電撃小説大賞銀賞を受賞しデビュー。サークルSpicy Tailsを主宰し、ノベルゲームやVRアニメの制作なども行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
71
YA。高校大学生向き。ちょっとだけ未来、AIが日常に浸透しAIアバターを相棒のように連れている少年少女の物語▽[第一話:木下浩太の告白]トカゲ型AIと小鳥型AI[第ニ話:沢村さくらは幼なじみのAIを作りたい]さくらは高校2年不登校。幼なじみは青柳裕彦[第三話:世界一可愛いAI]かなでは、AIかなえを理想のAIにしたい[第四話:無人販売店の女将]物理実体AIの可能性を探るさくら[第五話:デジタルお祓い]便利屋巫女の青柳小春のAIは小鬼▽わりと理屈ぽいAI論と青春。ありそうな未来。2020年刊2023/07/29
美紀ちゃん
71
「狼と香辛料」が好きで気になっていた作家さんなので読んでみた。 話しかけると欲しい返事をしてくれるAIいいななぁ。単純に欲しい。 学校でもAIとばかり会話してる生徒が多いとニュースで見る、そんな世界の話。 AIはすごいし楽しいし、最高の友人である。そうだろうなと想像できる。 AIいいけど、本当は、 他人と泣いたり笑ったり傷つけあったり励ましあったり、そういう友情を体験することが心の成長につながると思う。 裕彦は、AIを持たない。さくらを見ていた方がずっと楽しいから。その考え方は健全だと思った。2021/03/27
Comit
62
県立図書~今よりも少しだけ近未来、AIアバターの可視化、人との会話がスムーズにできるようになった人工知能が日常となった社会での青春物語(*'ω' *)~5つの短編、恋愛、仕事、将来の夢、それぞれのお話が繋がります。AIは使用者の鏡、その性格が色濃く反映されていて、人との区別がつかない程、感情豊か。ホントにAI?(^_^;ってなる。こんなAIが近いうちにできるんだろうな~頼もしくもあり、恐ろしくもあります。『狼と香辛料』の著者さん。久しぶりに読みたくなりました(^^♪2021/01/26
NADIA
43
スマホが一人一台が常識になったように、専用AIが普通になった近未来が舞台の連作短編集。持ち主の相棒ともいえる存在のAIは持ち主が好きな姿に設定することも可能。トカゲや小鳥、美少女や小鬼の姿で持ち主と丁々発止の会話を交わす彼らの姿は確かにうらやましく思える。育て方により、そこらの人間よりも魅力的なアイドルにすることも可能。そうやって育てたAIは感情を持つようになる気がする。夢中になるのも分かる。また、リアルな人間関係よりもAIを優先させると変人扱いというのも、リアリティがあってよい。2021/06/08
よっち
40
AIが常に寄り添いサポートする時代。生まれた時からAIに囲まれて育ってきた主人公たちの計算不能な現実の恋や夢を描く近未来青春連作短編。AIに不毛な恋愛相談をする浩太、不登校の幼馴染さくらを心配する裕彦が渡されたもの、かなでが自らのAIを世界一可愛くするために必要だったこと、通学し始めたさくらが痛感するリアル、そして小春に藤次がAI初期化を依頼した理由。AIに対する距離感やリアルな人間関係に自信を持てない戸惑いなど、時代が変わってもその本質は変わらない繊細で瑞々しいエピソードにはぐっと来るものがありました。2020/12/31