そこにある山―結婚と冒険について

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  • サイズ 46判/ページ数 252p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784120053498
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0095

出版社内容情報

「なぜ本書が、(……)かような一大傑作論考として結実したのかといえば、それは結婚が全部悪いのである。」(あとがきより)




人はなぜ冒険し、山に登るのか――


「永久にわからないだろう、わかるはずがない、わかってたまるかこの野郎」と思い続けてきた謎を解き明かしたのは、まさかの「結婚」だった!?


〈事態〉と〈思いつき〉を鍵に、極北で犬橇を走らせながら探検家・角幡唯介がつむぎだす人生論の極北を見よ!

内容説明

なぜ結婚したのですか?一つの“愚問”が切り拓いた永遠にして最大の、謎「人はなぜ冒険するのか」。私という人間の物語。

目次

序章 結婚の理由を問うのはなぜ愚問なのか
第1章 テクノロジーと世界疎外―関わること その一
第2章 知るとは何か―関わること その二
第3章 本質的な存在であること(二〇一九年冬の報告)―関わること その三
第4章 漂泊という“思いつき”―事態について その一
第5章 人はなぜ山に登るのか―事態について その二
終章 人生の固有度と自由

著者等紹介

角幡唯介[カクハタユウスケ]
1976年北海道生まれ。作家、探検家、極地旅行家。早稲田大学政治経済学部卒業。大学在学中は探検部に所属。2010年に上梓した『空白の五マイル』(集英社)で開高健ノンフィクション賞、大宅壮一ノンフィクション賞、梅棹忠夫・山と探検文学賞を受賞。12年『雪男は向こうからやって来た』(集英社)で新田次郎文学賞、13年『アグルーカの行方』(集英社)で講談社ノンフィクション賞、15年『探検家の日々本本』(幻冬舎)で毎日出版文化賞書評賞、18年には『極夜行』(文藝春秋)で本屋大賞2018年ノンフィクション本大賞、大佛次郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nonpono

57
6月に植村直己記念館に行ったのもあり、植村直己についての記述が気になった。ロビーに犬ぞりが置いてあった。著者も指摘しているが、加齢によりだんだんと衰えていく体力と気力。だけど、最後まで南極大陸に恋焦がれていた植村直己。最後のマッキンリーの登山のインタビューでも、南極について熱く語っている。その途中での行方不明なのかと。「おそらく彼は加齢で、自分の冒険家人生の先はもう長くないと自覚していたはずだ。」と。同年代で冒険家の著者の言葉が響いた。そして勢いだけで山や旅にまみれていた若い自分がとても懐かしくなった。2025/07/24

しゃが

55
著者があの『極夜行』、ワクワクと手に取ったが、形而上学的な考察からの冒険の話が繰り返されていた。ただ冒険家が結婚し妻子を抱えて外的な自由を失った反面、内的な自由を獲得できたと感じるのは、40歳を越え自分の「生」を自らが統御できる自律的な力が伴ったいう話は興味深かった。『極夜行』のGPS無し、自家犬橇での探検は自らの手探りの判断で行うことで「生」を手にできるらしい。そこから感じたことは買ってきた苗での土いじり、売っている素材での料理など今の「生きる」手応えのない生活はなにかが欠如しているのだろう。2021/01/05

hatayan

45
冒険家である著者がなぜ結婚したのかを掘り下げて考察したエッセイ。著者は結婚に至った背景を、他者との関わりや選択が積み重なった先に避けられないものとしてやってくる「事態」という言葉で説明。家や妻子を抱えて外的な自由を失った反面、内的な自由を獲得できていると感じるのは、年を重ねて自律的であることができるようになったからだと分析します。冒険界の巨人である本多勝一、植村直己の業績を回顧し現代に位置づけようとする第5章「人はなぜ山に登るのか」では40代半ばに近づいた現在の著者ならではの視点が強調されています。2020/11/06

雲をみるひと

23
角幡唯介氏が結婚に伴う考え方の変化について述べた本。講演会の元ネタとも言えるような内容だが、極夜行のエピソードには少し触れられているだけで基本的には作者の考え方が述べられている。内容的には理屈っぽく見えるか、実は伝えないメッセージは単純明快なのかもしれない。2021/05/04

Tui

21
生死を賭けた状況に身を置く冒険家である著者は「なぜ、結婚したんですか?」と自身に向けられた質問に対して、冒険と結婚を矛盾なきものとして語っている。破綻してないけど、やることも考えることも語ることも、全体的にぶっ飛んでいる。だって、犬橇用の犬の世話や訓練のために、一年のうち5ヶ月を世界最北の村シオラパルクで過ごすことと、鎌倉の自宅での結婚生活を両立させている(と言い切れる)んだから、もう何が何だか。本人はいたって生真面目。これは、妻の目線からの文章を読んでみたいし、対談か往復書簡かで出そうな気もする。2021/08/01

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