日本秋景―ピエール・ロチの日本印象記

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日本秋景―ピエール・ロチの日本印象記

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  • サイズ 46判/ページ数 300p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784120053337
  • NDC分類 955
  • Cコード C0021

出版社内容情報

明治初期に日本を訪れた仏海軍士官ロチ。開業間もない鉄道と人力車で神戸・京都・奈良・東京・日光などを巡る。日本人と日本の風物に鋭い観察眼を向け、鮮烈な筆致で驚きを綴る。





   目 次


 第一章 京都 聖なる都


 第二章 江戸の舞踏会


 第三章 二人の老人がつくる驚きの料理


 第四章 皇后の装束


 第五章 三つの田舎の言い伝え


 第六章 日光の聖なる山


 第七章 サムライたちの墓にて


 第八章 江戸


 第九章 「春」皇后

内容説明

驚くべき感受性で捉えられ鮮烈に描き出された日本の心と美。明治中期の日本をフランス人海軍士官が鉄道と人力車で駆け巡る。神戸から京都、奈良、鎌倉、東京、そして日光へ。19世紀後半を代表する文筆家ロチの歴史的な名著を清冽な新訳で送る。

目次

第1章 京都 聖なる都
第2章 江戸の舞踊会
第3章 二人の老人がつくる驚きの料理
第4章 皇后の装束
第5章 三つの田舎の言い伝え
第6章 日光の聖なる山
第7章 サムライたちの墓にて
第8章 江戸
第9章 「春」皇后

著者等紹介

ロチ,ピエール[ロチ,ピエール] [Loti,Pierre]
本名ジュリアン・ヴィヨー。1850年フランス、ロシュフォール生まれ。フランス海軍士官となって世界各地で任務につき、その時々の体験をもとに『アジヤデ』、『アフリカ騎兵』、『氷島の漁夫』などの小説、及び旅行記を発表した。その文筆活動により、1891年に弱冠41歳でアカデミー・フランセーズの会員に選出されている。1923年死去

市川裕見子[イチカワユミコ]
1953年東京生まれ。東京大学教養学科イギリス科卒業。同大学院比較文学・比較文化博士課程単位取得。宇都宮大学国際学部教授を経て、宇都宮大学名誉教授。近代日欧比較文学を専門とする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

くさてる

17
1889年に出版されたフランス海軍士官による日本体験記。まだ江戸の名残を残す明治初期の風俗や自然の描写、鹿鳴館でのパーティ、京都、日光という観光地の当時の様子など、興味深い観点は多かったが、黄色人種やいまだ未開の国だった日本に対するナチュラルな蔑視が感じられる箇所もあって、なかなか複雑なところ。それでも、この異国の人から見た日本は美しかった。面白かったです。2020/10/14

本の蟲

13
フランス海軍士官にして作家、文筆家の著者が、船の寄港中や旅行での印象をまとめたもの。当時欧州で起こった日本流行「ジャポニズム」の影響もあり、広く読まれたらしい。自然や歴史的建築物、人物の礼儀正しさを称賛する一方、様々な事柄についてつまらない、みっともない、にわか作りと散々こき下ろしている。日本人についても臭い、醜い、猿と黄色人種への偏見ばりばり。それでいて心底不快にならないのは、この時代欧米人の一般認識はこれが普通で、モースやベルツのように日本の歴史文化に敬意をはらう人間の方が例外であること。(続2021/12/08

hitotak

10
明治初期にやってきたフランスの軍人による日本滞在記。鹿鳴館や宮中に招待され、そこでの印象が時にシニカルに記されている。日本人に対しては糸のように細い目で、洋装がまるで似合わない黄色い猿たち…と差別的表現が頻出する。しかし日光東照宮の緻密な彫刻や宮中で見た皇后や女官たちの装束を詳細に描写し、その美しさを称える文章や、人力車で向かった宇都宮から日光までの道中の表現は、同時期に日本を訪れた外国人たちの文章と比べても相当読ませる。ロチにとって珍妙で、野蛮でしかない当時の日本の風俗は、現代の私たちにも興味深い。2021/11/05

きゅー

6
ピエール・ロチが1885年に来日した際の紀行文集。内容は京都旅行、鹿鳴館の舞踏会、鎌倉大仏見学、日光参拝、東京遠足などとなっており、彼独特の皮肉めいた口の悪さはさりながら、観察眼の鋭さには驚かされる。特に有名なのが「江戸の舞踏会」だろう。これは1885年に東京の鹿鳴館で開催された天長節舞踏会の様子を描いたものだ。彼は鹿鳴館のことを「どこか温泉町のカジノのようだ」と評し、洋装の日本人を「私には彼らが全員、しかもいつだって、なんだか猿に非常によく似ているように思われるのである」と全体的にひどい書きようだ。2023/07/04

凛風(積ん読消化中)

6
明治初期の日本を訪れたフランス人海軍士官の滞在記。当時、フランスは中国(清)と戦争をしていて、軍艦修理のために長崎に寄港したのをキッカケに、その年の秋、本州を旅している。その時の滞在記なので、下調べもなく誤解も多いが、数ヶ月、長崎に滞在しただけで、少しは日本語を話せるようになっていて、鹿鳴館にも赤坂御用邸にも、招待されている食い込みっぷりも凄い。黄色人蔑視はあるけれど、クリスチャンにありがちな寺社否定はなく、日光東照宮には素直に感動している。ロチの誤解を直さずに、そのまま訳している翻訳も好感が持てる。

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