出版社内容情報
おもろいは、正義だ。吉祥寺のスーパーが結成したお笑い芸人の「実業団」。夢と現実の狭間で揺れる彼らの行く先に待ち受けるものは? 『本のエンドロール』の著者が描く心震わす感動作!
内容説明
27歳、元甲子園球児。地元の期待を背負い、プロ野球選手になるも戦力外通告。故郷から逃げ、今はスーパーで働く普通の男。それでも、人の夢を後押ししたい。35歳、お笑い芸人。芸歴15年。バイトしながら妊娠中の妻と安アパートで暮らす。売れなければ、もう食っていけないかもしれない。それでも、夢は諦めない。お笑いがなくても人は生活していけるし、世の中は回る。でも芸人がいない世界より、芸人がいる世界の方がずっと楽しい。憂鬱な気分も笑い飛ばす、感動の逆転劇!!
著者等紹介
安藤祐介[アンドウユウスケ]
1977年生まれ。福岡県出身。2007年『被取締役新入社員』でTBS・講談社第1回ドラマ原作大賞を受賞。2019年『本のエンドロール』が「小説界のM‐1グランプリ」こと本屋大賞で11位、惜しくもノミネートを逃す(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ウッディ
147
プロ野球選手として芽が出ず、第二の人生としてスーパー「エブリ」で働く栄治に、うつけと呼ばれる四代目社長が命じたのは、エブリでバイトしながら夢を追うお笑い芸人たちで作るお笑い実業団のマネジメントだった。笑いの力で敵を味方にしていく芸人達と栄治のサクセスストーリー。挫折を経験した人の優しさとしぶとさ、無駄の大切さなど、世の真理を描きながら、地道な努力が報われる爽快感とお笑いライブの緊張感や涙を誘う場面など、読み応え十分でした。色んなジャンルで、面白い物語を紡ぎだす安藤さん恐るべし!この本も面白かったです。2020/10/23
ゆみねこ
124
舞台は吉祥寺の総合スーパー・エブリのイベントスペース❨アキチーナ❩。戦力外通告を受けエブリに就職した元プロ野球選手の樫村栄治とアルバイトの売れないお笑い芸人4組は「うつけ」と呼ばれる4代目社長の命で「お笑い実業団」を立ち上げる。スーパーの惣菜売り場で働く芸人たちの「笑い」への思いと経営の実験を握る専務とのバトル。笑えて泣けてラストはスッキリ、極上のエンタメ小説を堪能しました。お薦めします!2020/07/20
みかん🍊
118
元プロ野球選手の樫村は戦力外通告を受け野球とは無関係のスーパーで第二の人生を歩んでいた、仕事にも慣れてきた時うつけ4代目社長からお笑い芸人を準社員にしてお笑い実業団を作る担当を任されてしまう、最初厄介事を押し付けられ不満だったが真摯にお笑いに向き合う彼らを段々と応援するようになる、失敗させて会社の実権を握ろうとする悪役専務が出てきたりお決まりパターンではあるが、必要な物は何でも売っているスーパーでなくても困らないお笑い、しかし人を笑わせる事は相手を見方につける事、熱いお仕事小説泣いて笑える作品でした。2020/07/14
kou
88
お笑い実業団ってのは面白い発想だと思う。こんなスーパーがあったら、毎日、買い物に行きたい(笑)。ストーリーも、売れないお笑い芸人の葛藤と哀愁、そして、そこから這い上がっていく様に胸が熱くなった。何より叫ばずにはいられない気持ちになる・・・ロケンローーーーーーール!!2020/09/12
yuyu
88
夢を追いかける者、夢を叶えた者、夢破れた者…あなたは?プロ野球選手になったが、戦力外通知をされ、スーパー「エブリ」に転職した樫村栄治。突然、四代目(社長)から「お笑い実業団」を任せられる。栄治、そして、「お笑い実業団」の面々が日に日に変わっていく様はドキドキ、ワクワクさせられた。人を笑わせるって素敵なことだが、そんな簡単なことじゃない。でも、物語に引き込まれて、私自身も、エブリのアキチーナでのらえもん、フリーターズ達のライブを観て笑っているような感覚になった。数年後の「お笑い実業団」の続編を希望!2020/08/17