内容説明
闘将西本幸雄が鍛え上げた常勝軍団は、一癖も二癖もある個性派の集まりだった。勇者たちが語る、打倒巨人に燃えた熱い日々。伝説になったあの日あの瞬間が鮮やかによみがえる。
目次
世界の盗塁王 福本豊
球団マネジャー 浅井浄
マルカーノの「家族」ダゴと満子
不屈の右腕 足立光宏
応援団長 今坂喜好
代打の神様 高井保弘
スコアラー 金田義倫
応援のトランペット 松本誠次
いぶし銀のつなぎ役 大熊忠義
ブレービー 島野修
不動の4番打者 長池徳二
花の管理部
真のエース 山田久志
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ma-bo
59
(読了日)2019年11月13日(感想・レビュー記入日)2025年1月30日。1988年、身売りという最後を迎えた阪急ブレーブス。ブレーブス=勇者たちの記憶。福本豊さん、山田久志さん、長池徳二さん、足立光弘さん、高井保弘さん達の歴戦のプレーヤー達はもちろん、球団マネージャー・応援団長やスコアラー、ブレ―ビーの島野さん等裏方の活躍にも章が割かれ本人や関係者の証言で綴られよみがえる一冊。『ブレーブスは全員、永久欠番や』【感想追加本➄】2019/11/13
trazom
43
今はプロ野球に全く興味はないが、子供の頃、阪急ブレーブスのファンだった。ホークスやバッファローズの名が残る南海、近鉄と違って、ブレーブスは記憶の中にしかない。でも、パワハラ、忖度など、組織と人のあり方が大きく揺らぐ現代において、この球団の物語には多くの示唆がある。監督の人間的な魅力、組織に媚びずに黙々と自らの役割を全うする個性派集団の選手たち、裏方のプライドとそれへの感謝、応援する人たちの温かさ。この本は、そんな一人一人を丁寧に描いて、何度も涙が出そうになる。昭和とともに、こういう組織の時代が終わった。2020/01/26
遊々亭おさる
25
大観衆が熱狂する甲子園の程近くにある西宮球場では閑古鳥が鳴く客席のなか、ひたむきに勝利を追いかけて汗を流す男たちの集団がいた。阪急ブレーブス。球界のお荷物だった暗黒期から常勝軍団として名を馳せた黄金期を経て、身売りであっけない終焉を迎えた1988年まで影に日向にチームを支えた男たちの熱きドラマ。記録にも記憶にもその名を刻む名選手ばかりではなく、縁の下の力もちである裏方や応援で選手を鼓舞した応援団など有形無形の力でチームを支えた者たちにも光が当たっている。プライドを捨て道化に徹した男は私のヒーローとなった。2020/01/07
KF
18
今年に入って昭和中期頃までのプロ野球に関する本を次々と読んでいます。 たまたま図書館にあるものを読んでいるだけなので「当たり外れ」があるのが残念ですが、阪急ブレーブスは大当たりでした。 著者が新聞社で且つ阪神版、三田版限定の新聞連載というのが良かったのだろうと思います。文章も取材もしっかりしています。 昭和や関西に馴染みがないと読みづらいかもしれません。 私でも福本、山田は知っていても、この辺は知らんなぁ、が多かったのですが、それでも全章読み応えがありました。 後書きでは「西宮北口へ」と強いお誘いも!2024/06/21
yukalalami
16
かつてあった西宮球場を本拠地としたブレーブスの栄光の時代を彩った熱き指揮官、個性派揃いの選手達、応援団長やマネジャー、スコアラー、トレーナーなどの裏方まで丁寧に取材しエピソードをまとめた1冊。全ての人にドラマがあり皆素晴らしい勇者であった。2020/04/29