出版社内容情報
ファッションというのは物書きでさえ書けない、言葉にできないものを形にする最先端の表現だと思っています。だからどんなに知性があってもファッションをばかにしている人は信用できない。たとえ評論家や建築家であってもです。着ている服でその人が本物かどうかわかります。――本書より
内容説明
四〇年にわたるキャリアの中で、世界に衝撃を与え続けてきたファッション・デザイナー山本耀司。生い立ちから現在までを語った貴重な証言と、多方面からのアプローチを試みた一〇〇の質問で、魅力と創造の核心が明らかに。
目次
1 後ろ姿
2 一〇〇の質問
3 手から出ていく魂
付録 服の作り方
著者等紹介
山本耀司[ヤマモトヨウジ]
1943年、東京都生まれ。1972年、株式会社ワイズ(Y’s)設立。1977年、東京コレクションにデビュー。北野武の映画作品『BROTHER』、『Dolls』等の衣装を手がける。2004年、紫綬褒章受章。2011年、フランスより芸術文化勲章「コマンドゥール」を叙勲される
宮智泉[ミヤチイズミ]
1960年、東京都生まれ。国際基督教大学卒。1985年、読売新聞社入社。2009年、カリフォルニア大学バークレー校ジャーナリズム大学院講師。長年、ファッション、働く女性の問題などを担当。現在、編集委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
k5
49
今まで袖を通したことなかったけど、なんか僅かにご縁があったので。耀司さんはドストエフスキーと坂口安吾が好きなようで、そういうコンテキストを知っていたらもっと身につけていたかな? 子ども時代の耀司さんが、ヤクザの車にボールをぶつけたらぶん殴られたけど、米兵に木刀をぶつけたら、米兵は必死に痛みを堪えて怒らなかった、というエピソードが鮮烈ですね。2025/02/23
Sato
13
図書館に洋裁本を借りに行きふと手に取った本。世界的デザイナーの山本耀司の歴史とインタビュー。強い女性、自立した女性のための服、モードとは程遠い世界で生きる私でしたが、Yohji Yamamotoのお洋服が欲しくなりました。歳を重ねるにつれて、自分の好きな服がだんだん固定されてきました。本当にお洋服が大好きなので、自己表現として、これからも自分なりのこだわりを持って洋服を選んで行こうと思いました。そして、お財布の許す限り上質な服を手にしていきたいな、そう思わせてくれる本でした。2020/08/03
Ayumu
8
Y’sの服は高すぎて敬遠していたが、何かのキッカケで身に纏ったところ、不思議な程シルエットが美しく驚き、魅了された。不思議の訳を知りたくて読書。布にどんな形になりたいかを訊いて、定規を使わず、実際のモデルに着せながら形にしているそう。なるほど(できない)。 山本耀司さん自身は反骨、挑戦、頑固な人という印象。ただ、嫌いなものを受容しないのではなく、わざと取り入れて自分なりに消化していく柔軟さと強さがあり素敵だ。でも何より、本に差しはさまれた服の写真や絵が素晴らしく、言葉以上に雄弁に語りかけてくるようだった2023/07/23
ユウティ
4
名前を知っているくらいだったけれど、装丁に惹かれて。はじめの1/3位で生い立ちやブランドの変遷などの説明。この部分は表面的で物足りなかった。『挫折した』え?で?で??みたいな感じ。諦めずに読むと、次は対談で簡潔な100問の質問に答える形式。ここからヨウジヤマモトの内側が伺えて面白くなっていった。それにショーの写真がもうとにかくカッコいい。最後の1/3は始めより少し踏みこんだエッセイ風。ページも少ないので多くはないものの、制作の現場のこととかとても面白かった。死ぬまで燃え続けるみたいな方なんだなあ。2025/03/21
𝐂𝐄𝐋𝐄𝐒𝐓𝐈𝐍𝐄
4
「どんなに知性があってもファッションをばかにしている人は信用できない。たとえ評論家や建築家であってもです。着ている服でその人が本物かどうかわかります」と言い切るのがかっこいい。/ヨウジヤマモトの服をじっくりと見るのは初めてだったが、どの服もモデルさんにしっくりと馴染んでいて、村上春樹「トニー滝谷」の「彼女はまるで遠い世界へと飛び立つ鳥が特別な風を身にまとうように、とても自然にとても優美に服をまとっていた」という一文を思い出した。2024/01/16