落花

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  • サイズ 46判/ページ数 410p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784120051746
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

将門という男は、なぜかくも激しく不器用なのだ!

音楽に取り憑かれ、「至誠の声」を求め旅に出た仁和寺の僧・寛朝。

荒ぶる坂東の地で出会ったのは、古き法に背き、ならず者と謗られる人物だった――。


土豪、傀儡女、群盗……やがて来たる武士の世を前に、混迷を生きる東国の人々。

その野卑にして不羈な生き様に接し、都人はどんな音を見出すのか。


父に疎まれ、梵唄の才で見返そうとする寛朝

逆賊と呼ばれても、配下を守ろうとする将門
下人の身にして、幻の琵琶を手にせんと策略を巡らす千歳

「至誠の楽人」の名声を捨て、都から突然姿を消した是緒

己の道を貫かんともがく男たちの衝突、東西の邂逅を、
『若冲』『火定』の俊英が壮大なスケールで描き出す!

内容説明

野太い喊声、弓箭の高鳴り、馬の嘶き…血の色の花咲く戦場に、なぜかくも心震わせる至誠の音が生まれるのか!己の音楽を究めんと、幻の師を追い京から東国へ下った寛朝。そこで彼は、荒ぶる地の化身のようなもののふに出会う。―「坂東のならず者」を誰より理解したのは、後の大僧正その人だった。謀叛人・平将門と、仁和寺の梵唄僧・寛朝。男たちの魂の咆哮が響き合う歴史雄篇。俊英が描く武士の世の胎動!

著者等紹介

澤田瞳子[サワダトウコ]
1977年京都市生まれ。同志社大学文学部文化史学専攻卒業、同大学院博士課程前期修了。専攻は奈良時代仏教制度及び、正倉院文書の研究。2010年『孤鷹の天』で小説家デビュー。同作により第17回中山義秀文学賞を最年少受賞。13年『満つる月の如し』で第2回本屋が選ぶ時代小説大賞ならびに第32回新田次郎文学賞を受賞。近年の著書に『若冲』(第9回親鸞賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

270
澤田 瞳子は、新作中心に読んでいる作家です。平将門の乱と琵琶の名器「有明」を巡る物語、戦乱の衝撃音と悲しい琵琶の音色がクロスオーバーして、悲劇の物語を奏でていました。著者は、本書で三度目の正直、直木賞受賞で良いかも知れません。 平将門の首は本当に大手町まで飛んだのでしょうか??? https://www.travel.co.jp/guide/article/9868/2019/04/11

ウッディ

168
自らの音楽を極めるため、東国へ下った僧寛朝、自分を頼る人々の暮らしを守るため、謀反人の汚名を恐れず立ち上がった平将門、名のある父から疎まれた二人の想いが絡み合う物語。直木賞候補作という事で手に取ったが、馴染みの無い平安時代と梵唄という聴いたことのない音楽?が、イメージできず、読むのに予想外の時間がかかってしまった。琵琶の幻の名器を我が物にして、立身を計る千歳のギラギラした私欲は印象的で、百人一首で有名な蝉丸が彼だったとは‥。歴史小説を読むとどこまでが史実で、どこまでがフィクションかを境界を考えてしまう。2019/10/20

修一朗

152
平安時代,群盗豪族が跋扈した辺境の地坂東に朗々と響く声明,当時香取の海と呼ばれた霞ケ浦湖上での傀儡風俗の有り様,いいですねぇ。成田山新勝寺の生みの親寛朝様と蛮族の親分将門様との交流も新鮮な視点でした。「理趣経」を聴きながら読みましたよ。あの朗々たるリフレインはまさに当時の音楽です。澤田さん,他作品でも感じたけども史実に挿入してくる創作部分とのバランスに違和感があります。これで澤田さんの直木賞候補3度目。今回のマイ予想は2位(対抗)です。ちなみに前回候補になった火定,私はイチオシでしたが外しました。。2019/07/05

あさひ@WAKABA NO MIDORI TO...

144
装丁に見る静けさからは想像できない壮絶な物語だった。平将門の乱を、坂東の各地を治める役人、僧侶、傀儡女たちの視点から生々しく描く。平安時代というあまり自分には馴染みのない時代背景だが、筆者の力強くも美しい文章を一文たりともおろそかにできず、夢中になって読んだ。そう言えば、澤田作品は何冊が読んだが、外れがないな。いつの間にか好きな作者の一人になっている。2020/10/15

真理そら

144
「これやこの 行くも帰るも わかれては ~」こんな形で蝉丸が登場するとは…。将門を描く作者の筆は冴えわたっている。そのため「至誠の音」を追い求め極めようとする仁和寺の梵唄僧・寛朝の、父との相克と音への希求が読者の胸に響くにはもどかしかった。あるいは、坂東の地での寛朝の気持ちの揺れ動きがそのまま読者に伝わったと考えるべきかもしれず。個人的な趣味としては、最後に京に帰って博雅が蝉丸の琵琶をきく場面なども読みたかった気がする。2019/06/28

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