出版社内容情報
淡い水彩で描かれた子どもたちの絵で知られる、いわさきちひろ。優しさに溢れた作品は、多くの人たちに愛されてきたが、その人生はあまり知られていない。
そんな彼女の55年の生涯をたどると、戦後の混沌とした時代に自立する女の生き方を志し、人間の尊厳を問い続ける姿勢が変わらずあった。
2018年に生誕100年を迎えた彼女の生涯をひもとき、知られざる「いわさきちひろの素顔」に触れる。
内容説明
淡い水彩で描かれた子どもたちの絵で知られる、いわさきちひろ。そんな彼女の55年の生涯をたどると、戦後の混沌とした時代に自立する女の生き方を志し、人間の尊厳を問い続ける姿があった―「いわさきちひろ」の素顔を探し求めた、珠玉のノンフィクション。
目次
第1章 百歳の誕生日
第2章 ちいちゃんの原点
第3章 封印された記憶
第4章 愛する人へ
第5章 ワーキング・マザーの奮闘
第6章 編集者が見た横顔
第7章 童画家から絵本作家へ
第8章 命ある限り
第9章 美術館から広がる輪
第10章 ちひろからのバトン
著者等紹介
歌代幸子[ウタシロユキコ]
1964年、新潟県生まれ。ノンフィクション作家。学習院大学卒業後、編集者を経て、独立。『婦人公論』『新潮45』『AERA』などで、スポーツ、人物ノンフィクション、事件取材など幅広く執筆活動を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
チェアー
12
いわさきちひろの絵は誤ることないが、ちひろ自身の人生はまったく知らなかった。松本善明の妻だったことや、初回の結婚の失敗。一生背負い続けた人だった。そして55歳の若さで亡くなったこと。評伝としてはあっさりとした内容だったが、資料などが少なくて、書きにくかったのかもしれない。内面にあった激情と強さをもっと知りたかったと思う。2019/07/29
Yuki
2
ちひろ美術館に行く前に読むべきだったが、本の存在を知らなかった。この人は自分が生まれる前に亡くなり、8月8日に亡くなる章も8月9日に私は読んで命日を知った。ちょっとずつ間に合わない。この人の絵が小さい頃から大好きで、ようやく美術館へ行き、ようやくいわさきちひろについて少し知れたと思う。絵とは違う、激動の人生。そして絵のような穏やかでオシャレな人。著者が感銘を受けた、ちひろの《大人になること》というエッセイは私も美術館で忘れられない。2019/08/11
ゆうぴょん
0
娘の伝記でいわさきちひろさんを読んでいるので、最初の結婚に失敗したことは知っていたけれども、なかなかハードな別れ方だったことにびっくり。親の進める結婚。それも戦前なら仕方ないことなのに、ある意味ぶれないちひろさんが凄い。共産党員だったことも初めて知った。 あのふんわりした絵柄からは想像のできない激動の人生。 そして、この時代に一家を支えていたことが凄いと思う。 どこか強さのある絵はそういうことなのかなぁとも思う2024/02/17
みーたん
0
ちひろの絵は見てきたつもりなのに、ちひろの人生、背景を知らなかったことに気づく。 自らの戦争体験、ベトナム戦争を通して「世界平和や命の尊さ」を絵で訴えた人生だったのでしょうか。 2019/10/03