圓朝

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  • サイズ 46判/ページ数 323p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784120051654
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

幕末・明治の芸能を代表する、近代落語の祖・三遊亭圓朝。

江戸から明治への激変期にあって、伝統的な話芸に新たな可能性を開き、「怪談牡丹灯籠」「真景累ヶ淵」などが今なお語り継がれる伝説的な噺家の一代記。

母・兄に猛反対されるも芸の道に進んだ圓朝。

歌舞伎の技術を盛り込んだ芝居噺で人気を博すものの、師匠や愛弟子から嫌がらせにあい、窮地に追い込まれる。数々の苦境を味わわされる中、自らが生みだした怪談噺や人情噺で独自の境地を開き、押しも押されぬ人気咄家に成長するが・・・・・・波乱万丈な芸道を這いつくばり、女性関係や息子との確執にも悩んだ圓朝。

新田次郎賞・本屋が選ぶ時代小説大賞W受賞の奥山景布子が迫る、「伝説的落語家」の素顔とは――

内容説明

裏切り、怨念、なんのその!「牡丹灯籠」「真景累ヶ淵」など数々の怪談、人情噺を残し、江戸と明治を駆け抜けて、芸能の怪物となった三遊亭圓朝。しかし、その実人生は「まさか」の連続だった。師匠に嵌められ、弟子は借財まみれ、放蕩息子は掏摸で逮捕。売れない修業時代から、名人にのしあがった晩年まで不屈の魂に燃えた“大圓朝”の堂々たる一代記。

著者等紹介

奥山景布子[オクヤマキョウコ]
1966年愛知県生まれ。名古屋大学大学院文学研究科博士課程修了。文学博士。高校教諭、大学専任講師などを経て創作を始める。2007年に「平家蟹異聞」で第八七回オール讀物新人賞を受賞。09年、受賞作を含む『源平六花撰』で単行本デビュー。18年、『葵の残葉』で第三七回新田次郎文学賞、第八回本屋が選ぶ時代小説大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しんごろ

187
落語中興の祖、偉大なる落語家である三遊亭圓朝の一代記です。落語が好きな方であれば、『圓朝』というタイトルを見たら、ついつい手に取るんではないでしょうか。『好きこそ物の上手なれ』という言葉を地で行く感じでした。圓朝が落語を楽しそうに創作する姿が楽しそう。そして、大勢の弟子の世話に関しても、学ぶ物がありました。書いてる奥山景布子さんも落語が好きなんだろうなというのが、読んでて感じますね。明治になってからの落語の取り巻く環境の大変さを知りました。じわじわとくる面白さでしたよ。2019/05/17

のぶ

87
幕末から明治にかけて活躍した噺家、三遊亭圓朝の生涯を描いた作品。自分はこの人物を知らなかったが、伝統的な話芸に新たな可能性を開き、多くの落語を創作した人物らしい。周りに登場する噺家で、現在も続く名跡で知っている名前も多く、その存在の大きさを感じさせられた。物語の世界は落語界の中にどっぷりつかった印象で、師匠や愛弟子から嫌がらせの中、自身の窮地や数々の苦境を味わわされる。そんな状況の中でも芸の世界に打ち込み、怪談噺や人情噺で独自の境地を開いた姿は、心を打つものがあった。2019/06/02

巨峰

76
三遊亭圓朝。江戸から明治へと駆け抜けた噺家の一代記。落語や噺のことは全く知らない僕でもこの小説には大いに引き付けられました。ああ、日本文化の精髄に触れた気がする。それから江戸と明治は、地続きだったことも。そしてその歴史上の人物、その周りの人たちをあまりにも血の通った人間らしい存在として小説に再現した奥山さんにも感謝します。2019/04/30

buchipanda3

75
幕末から明治に人気を博した落語家・三遊亭圓朝の一代記。当人が怪談噺・人情噺を得意としたからか、本作もその雰囲気を醸し出しながら語られており楽しめた。師匠からの嫌がらせの話は二の句が継げない。まさかと思ったら実際にそうだったらしい。因果応報の因の方が変わっていくという言葉通りの展開に思わず膝を打つ。挿話の数珠繋ぎが主で物語の起伏にやや欠ける印象があったが、一つ一つ丁寧に綴られていたと思う。タネから噺が創作される流れが面白く読めた。圓遊の姿が自らに被る場面も印象深い。出てきた怪談噺は是非拝聴したいものだ。2019/03/07

fwhd8325

70
圓朝の創作した噺は、今でも多く語り継がれていますが、圓朝と言えば怪談噺とイメージされています。この著書は、今の時代までもその亡霊に支配されているかのように、圓朝を描いていると思います。まさしく、圓朝の存在そのものが、怪談であるかのように背筋に冷たいものを感じるような迫力があります。正岡容の「小説圓朝」と重なる部分は多くあるけれど、落語の噺と同じように、切り口を変えるだけで、味わいはまた別物になることを感じました。2019/05/11

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