出版社内容情報
人口減少によって、日本の地域経済は新しい時代に入った。観光産業や製造業など地元の人口と連動しない産業がある一方で、地元の人々のためのサービスを行う金融や医療、教育などの産業にとって人口減少はすなわち顧客の減少であり、衰退して、競争原理が働かなくなる。問題は、それでも存続させることが必要だということだ。
本書は、人口減少著しい長崎県で勃発した十八銀行と親和銀行の経営統合問題をいとぐちに、競争不能経済がどのようにして生まれるかを理論的に証明し(地域金融業の費用曲線などを図示)、日本全国を競争が成り立つ地域と成り立たない地域とに分けて分析、人口減少時代の地域経済システムと競争ではない利益と恩恵の作り方を考察するものである。
大庫直樹[オオゴナオキ]
著・文・その他
内容説明
発端は長崎県の十八銀行と親和銀行の経営統合問題、しかし今―想定外の事態が全国で静かに進行している。経済の新しいルールをさぐる緊急提言。
目次
1 競争不能地域の誕生(長崎県に競争は成り立つのか;競争不能地域の存在を証明する)
2 競争が成り立たない経済のフェア・ルール(鉄道事業―地域独占からオープンアクセスへ;電気通信事業―内部補助から外部補助へ;電力事業―市場支配力と支配力行使は別)
3 地域金融事業のフェア・ルールとは(県を越えて広域競争市場へ;ミクロな競争不能地域でのモニタリング;長崎問題の決着と新たな問題)
結章 人口減少の先の地域市場システム・デザイン
著者等紹介
大庫直樹[オオゴナオキ]
1962(昭和37)年東京都生まれ。85年東京大学理学部数学科卒業。マッキンゼー・アンド・カンパニー入社。東京、ストックホルム、ソウル・オフィスでコンサルティングに従事し、99年パートナーに選出。以後、東京オフィス・リテールバンキング・プラクティスのリーダーとして銀行、ノンバンクなど金融機関の経営改革に携わる。2005年GEに転じ、08年独立、ルートエフ株式会社を設立し代表取締役に就任。17年、ルートエフ・データム株式会社を設立し、データサイエンス分野に進出。大阪府・市特別参与などを経て、現在、同志社大学非常勤講師、金融庁参与・金融研究センター顧問、広島県特別参与(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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