出版社内容情報
元刑事で、現在は神奈川県小田原市鴨宮で「防犯アドバイザー」を務める麻生和馬は、元引きこもりの孫・新城将に言った。
「二万円やるから、俺のバイトを引き受けろ。張り込みだ」。無茶振りされた孫は、〈捜査〉ならぬ〈調査〉を開始する。やがて浮き彫りになる〈家族の断層〉――。
姿を消した独居老人の行方は、そして、暗い顔で子ども食堂に通う少女に笑顔が戻る日はくるのか?
堂場瞬一[ドウバシュンイチ]
著・文・その他
内容説明
元刑事で、現在は神奈川県小田原市鴨宮で「防犯アドバイザー」を務める麻生和馬は、元引きこもりの孫・新城将に言った。「二万円やるから、俺のバイトを引き受けろ。張り込みだ」。無茶振りされた孫は、ある老女の“捜査”ならぬ“調査”を開始する。やがて、箱庭のような街の“断層”が浮き彫りになる―。姿を消した独居老人の行方は、そして、暗い顔で子ども食堂に通う少女に笑顔が戻る日はくるのか?
著者等紹介
堂場瞬一[ドウバシュンイチ]
1963年生まれ。茨城県出身。青山学院大学国際政治経済学部卒業。2000年秋『8年』にて第13回小説すばる新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
202
堂場 瞬一は、新作中心に読んでいる作家です。このシリーズは第二弾のようですが、私は初読です。警察官OBの祖父と引き籠りの孫のコンビは新鮮で楽しめました。事件は殺人もなく地味でしたが・・・ しかしこの内容で、何でこのタイトルなのかは疑問です。2018/11/16
いつでも母さん
192
『共鳴』の続編。「子ども食堂」に来る東京からの転校生・怜奈と地域で一人暮らしの文子が居なくなった・・別々の行方探しがなんと繋がっていたとは。元刑事の祖父・麻生とその孫で元ひきこもりの将が地域のお巡りさんやご近所さんと力を合わせて二人を見つけ出す。なんだか町内会の存在も危うくなっている現実にこんな、ちょっと煩くてお節介だけどしっかり者のお爺さんいなくなっちゃったなぁと、そんな事を思った。家族の話は難しいよね。一つとして同じ家族など無いのだから。将はまだしばらくお祖父さんと暮らして修行だね。2018/11/11
KAZOO
118
堂場さんのスポーツもの(私はほとんど未読ですが)と警察ものとは異にする新しい分野での作品です。元警察官の祖父と引きこもり大学生の孫が主人公で2作目のようです(1作目の「共鳴」は未読)。小田原近くの鴨宮という場所が舞台で、そこで主人公が子ども食堂というボランティアをやっていますが、訳ありの女子中学生と近くの老女がからむ事件までとは言えないようなことがありそれを解決します。1作目も読もうと思いました。2024/06/13
タイ子
82
元刑事のじいちゃんは今は街の防犯アドバイザー、そして元引きこもりの孫の将はじいちゃんによって少しづつ前に、外に向かうようになるという話。それにしても、このじいちゃんの頑固さ、厳しさ、命令口調には将でなくても閉口気味。ちょっと気の短い男の子なら逆切れ必至だよ。だけどね、将は2万円で冬服が買えると思うと頑張っちゃうのよ。町内の老婦人の失踪、女子中学生の家出の真相を求めて昔取った杵柄と、孫は祖父の命令と若さで調査。苦言ながら孫の行く末を気にし、片や不平不満ながらじいちゃんをどこかで尊敬する孫。この先も見たいね。2019/01/19
雅
69
おせっかい爺とグズグズな孫。いまいち共感出来なかったけど結末は良かった。それにしてもどの家庭にも問題があるんだね2019/07/19