出版社内容情報
私、お姉さんたちとは別に、姉妹になりたい人ができたの――まったく新しい家族のつくり方を模索する、山崎ナオコーラのポップで自由な家族小説!
あるとき3億円の宝くじが当たった真面目で地味な正子(35歳)。
当せん金で『屋根だけの家』という風変わりな家を建て、イケメンの夫・茂と息子の3人で暮らしていたが、茂の浮気で離婚。
シングルマザーになった正子は、姉妹の衿子・園子と暮らすことに。ただ、姉妹同士の共同生活に息苦しさを感じはじめた彼女は、奇想天外なアイディアを思いつく。
結婚に?離婚?があるのなら、姉妹だって別れたり、新たに作ったりしていいのでは――?
まったく新しい姉妹像から、現代の家族観を揺さぶる、山崎ナオコーラのポップで自由な家族小説。
山崎ナオコーラ[ヤマザキナオコーラ]
著・文・その他
内容説明
正子、35歳、シングルマザー。宝くじを当て、挑戦したのは、“姉妹”のメンバーチェンジ!?家の中から“明日”を変える長篇小説。
著者等紹介
山崎ナオコーラ[ヤマザキナオコーラ]
1978年生まれ。『人のセックスを笑うな』で第41回文藝賞を、『美しい距離』で島清恋愛文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
239
山崎ナオコーラは、新作中心に読んでいる作家です。実際の姉妹が存在しているのに、敢えて偽姉妹を作ろうとする感性は理解しずらいですが、興味深く読みました。偽姉妹が40年も継続するなんて。もう少しサプライズがあれば、もっと良かったかなぁ。2018/07/18
yuyu
104
血の繋がりって、家族って、姉妹って、なんだろう。壊すことが出来ないもの、逃れることが出来ないものと思っていた私の概念がいとも簡単に覆されてしまった。血が繋がっているが故に、出来てしまう溝があり、主人公の正子の思いが「あー、わかる、わかる」と共感。偽姉妹の百夜とあぐりとの出会いは羨ましい限り。やっぱり、「血」ではなく、「感性」が大事なんだよなぁ。最終章では、心温まるラストにほっこり。2018/09/01
fwhd8325
98
意外なことに、山崎さんの作品は初めてでした。おとぎ話のような世界観だなと感じながら読み進めていましたが、どうしたのでしょうか、最後に一転して、空気が変わったような感覚です。それはそれでいいのですが、これまでの流れからの唐突感に戸惑います。一気に毒素を抜かれたような爽やかさです。個人的には、ずっと物語を引っ張ってきた、妖しげな感覚のほうが楽しいと思います。2019/08/15
なゆ
95
姉妹を自分で選ぶ?ほほう、発想は面白い。同性婚でもなく、ルームシェアや同居人でもなく、気の合う女性3人が偽姉妹という家族になると。シングルマザーの正子は価値観が合わない実の姉と妹との同居と姉妹関係を解消(?)し、価値観の合う百夜とあぐりに姉と妹になってもらい一緒に暮し始める。でもなんだか逆に、姉妹にこだわってる?確かに、家族と認められれば社会の中で都合がいい部分があるのはわかるけど。まあ、ラストはとてもいい感じになってるから、余計なお世話かな?なんにしても、もしも私が妹からこんな事言われたらブチ切れるよ。2018/10/06
ぶんこ
90
実の家族よりも気の合う他人との生活。なんだか楽しそうです。有りかなと思い始めてしまう読後感。経済的に生活に追われていては出来ない気がするので、宝くじで3億当てたというのが伏線というか、要と思うと納得です。つくづく律儀で礼儀正しい良い人よりも、相性の良い人との生活の方が楽しそうなのが悔しくもある。(私自身が四角四面の律儀者なので)2018/08/03