アンデス古代の探求―日本人研究者が行く最前線

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  • サイズ B6判/ページ数 193p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784120050824
  • NDC分類 268
  • Cコード C0022

出版社内容情報

ペルー北部山地、標高2300mの山上に今から3000年ほど前の大石造神殿の遺跡がある。その名はクントゥル・ワシ。アンデスに覇を唱えたインカ帝国の言葉では「コンドルの館」という意味である。ここでは1988年から2003年までの間、大規模な発掘調査と修復保存の作業が行われた。中心となって従事したのは編者・大貫良夫(現在、東大名誉教授)が率いる日本の若手研究者たちである。 調査終了から10年余りを経た今日、クントゥル・ワシでの経験と知見を踏まえた若い研究者たちは、独自の研究を深め、ペルーの各地で発掘を重ね、新発見を通して古代アンデス文明研究の最前線を切り開いている。その成果はいまや世界最高の地位に達していると言える。 その研究の成果、アンデス考古学ひいては人類史研究への貢献を、編者をはじめ8名の研究者たちに語ってもらう。聞き手は読売新聞文化部記者の清岡央。

大貫 良夫[オオヌキヨシオ]
著・文・その他

内容説明

東大調査団が初めてペルーに旅立ってから60年。古代アンデス文明の形成過程解明への情熱、そして現地の人々との協力関係は、輝かしい成果をもたらしてきた。最前線を切り開く研究者たちは今、どのようなテーマに挑んでいるのか?

目次

第1章 アンデス考古学の六〇年(大貫良夫)
第2章 コトシュ遺跡―文明の起源を推理する楽しみ(鶴見英成)
第3章 クントゥル・ワシ遺跡―住民と共有した発掘と博物館の経験(井口欣也)
第4章 パコパンパ遺跡―権力生成のプロセスを求めて(関雄二)
第5章 ワカ・パルティーダ遺跡―壁画で覆われた彩色神殿の発見(芝田幸一郎)
第6章 カンパナユック・ルミ遺跡―周縁から見たアンデス文明の形成(松本雄一)
第7章 ナスカの地上絵―分布調査、遺跡の保護と保存(坂井正人)
第8章 タンタリカ遺跡―北のマチュピチュ(渡部森哉)

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

143
南米アンデス関連の本は、年に数冊読んでいます。ペルーは一度訪問したことがありますが、メジャーな観光地(クスコ、マチュピチュ、ナスカ)だけだったので、本書に出て来る遺跡は、新鮮でした。南米にも紀元前から文明遺跡があり、日本人が50年以上前からその発掘に貢献している事を誇りに思います。2018/07/22

翔亀

46
【始原へ30】<東大アンデス隊6>こちらは2018年に刊行されたアンデス隊8名へのインタビュー集。大貫良夫・関雄二を除くと、新進気鋭の研究者(=発掘者)たちだ(といっても若くて40歳代)。1990年代に東大アンデス隊によるクントゥル・ワシ神殿などのアンデス展に感動してこの道に入った方が多いようだ。いきなりアンデスの発掘現場に連れてこられ発掘手法を学んだというパターン。東大アンデス隊は発掘者育成の格好の場だったわけだ。こうして、それぞれ各自のテーマを見つけて(いずれもアンデスだが時代は幅広い)続々と成果を↓2021/07/19

キノコン

4
とにかく面白かった。8人の先生方のお話のわかり易さ、それぞれのお人柄がよく分かる編集になっていて、じっくりとゆっくり読みました。大貫先生の含蓄あるお話には敬意しかない。パコパンパの守護聖人祭の関先生の仮装の人、とても見たい!半世紀という長い時間をかけても考古学者の人生は短い。これからも若い研究者が益々活躍出来るようなサポートがあるといいです。地元民との交流やトラブルも昨日のことのように語る先生方にエールを送りたいです。2019/03/14

hal

4
新聞記者が、8人のアンデス考古学者にインタビューしたものをまとめた本です。何故この道に進もうとしたのか。師事した先生と大学。どこでどんな発掘をしたか。現地の人との関係はどうだったか。何が出てきて、結果どうなったか。どんな苦労話があるか。等について語っています。出てきた遺跡や遺物の写真はありますし、簡単な説明もありますが、時代も場所もバラバラで、アンデス考古学に詳しい人でないと、よくわからないのでは。とりあえず、ペルーには沢山の日本人学者が発掘に行っているらしいというのはよくわかりました。2018/06/15

Witch丁稚

3
研究者に軸を置いてそれぞれ語ってもらう形式なので各人の興味や専門やこの道に入った経緯や苦労話はわかるけれども全体がわかりにくいかな?概要がわかってる人向け。遺跡が出たパコパンパで学術的価値と地元の理解がうまく融合できて、村の祭りの時代絵巻的な仮装行列で遺跡の人物の仮装から始まって150年前の「宣教師」の次に遺跡発見者の「私」が出てきて口を開けて驚いたエピソードは笑った。一方でP120の「新聞の権威が、専門でない人にとって重要性を理解するための一助になるのだなあと。」という認識は逆で新鮮だった。2019/05/31

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