出版社内容情報
最強の軍事組織アメリカ海兵隊に学ぶ、進化しつづける組織の秘訣とは。旧日本軍の敗因を分析した『失敗の本質』(中公文庫)の姉妹篇。
内容説明
アメリカ的合理主義と日本的人間主義の融合。「最強の軍事組織」に学ぶ、進化しつづける組織の秘訣。21世紀の日本的経営を創り出す、旧日本軍の敗因を分析した『失敗の本質』(中公文庫)の姉妹篇。
目次
第1部 アメリカ海兵隊の知的機動力(海兵隊の歴史概観;海兵隊の組織論的分析;海兵隊の知的機動力モデル)
第2部 『ウォーファイティング』(翻訳)(戦争の本質;戦争の理論;戦争の準備;戦争の遂行)
著者等紹介
野中郁次郎[ノナカイクジロウ]
1935年(昭和10年)、東京に生まれる。早稲田大学政治経済学部卒業。富士電機製造株式会社勤務ののち、カリフォルニア大学経営大学院(バークレー校)にてPh.D.取得。南山大学経営学部教授、防衛大学校社会科学教室教授、北陸先端科学技術大学院大学教授、一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授などを歴任。一橋大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
泰然
24
社会の変化に組織は如何に対応し、共通善により組織運営を行う「社会的公器」として、社会と利害関係者にどう解答をすべきか?近年、組織や公共性に頼らない個人力の風潮が強いなか組織(会社)が存在価値と公共性を取り戻すヒントが本書の研究にはある。マッチョなイメージのある米国海兵隊だが、根底にはアリストテレスが起源のコモングッド(共通善)の哲学と賢く戦うための柔軟な知的機動力と、徹底的な個人基礎力、メンバーシップがある。古代の哲学者は言った「政治とは善き生をもたらすもの」。善く賢く生き、社会性を果たす組織哲学の一冊。2021/03/13
くすりん
6
野中先生の『史上最大の決断』を読んでいたので、海兵隊の歴史の件は、頭に入りやすかった。しかし、野中先生はアメリカ海兵隊隊員じゃないか?しかも、ジェネラル級。てくらい海兵隊について良く掘り下げて書いてます。理想的な組織モデルだと思う。はっきり言って、こんな奴らに勝てる訳無い。と思わせるくらい色々事が徹底されている。生まれ変わったら海兵隊に入ろうと思った。2020/01/16
だ
5
そうそう!と思う部分もあるものの、全体的に軍事組織の固有名詞が多く、論理を追うのに苦労して読み進まなかった。途中までで図書館の貸し出し期限が来てしまい、読了ならず。2024/01/13
Junichi Wada
4
アメリカ軍というと陸海軍と比較して小規模にもかかわらず、海兵隊を思い浮かべるのだろうか。そこに海兵隊の組織的強さがある。本書では、2部に分かれており、1部は著者による海兵隊の歴史から思想哲学が記され、2部は海兵隊のドクトリンの和訳が掲載されている。 海兵隊は全員がライフルマンだそうだ。ライフルマンの思想を持ち合わせて、歩兵や艦船の乗組員、航空機のパイロット、兵站部署などを担う。皆が一つの哲学のもとに行動することが強さの秘訣だそうだ。2021/12/05
tkokon
4
【徒弟制+合理性】組織の各階層でイノベーションを起こし、実践ではOODAループによって現場で刻々変化する状況を解決していく。OODAの基本にあるのは徹底的な価値観と技術の刷り込みだ。自社の価値観に染め上げる「古き良き日本企業」的な要素と、あくまで合理的・実践的組織運営。第2章の「ウォーファイティング」も「基本的な考え方」を示す文章でありながら、あくまで実践的・合理的なのだ。これは、知的機動力の求められる仕事(=つまり、現代のほぼ全ての仕事)であるべきマニュアルのベストプラクティスではないかと考える。2020/05/06