出版社内容情報
戦場を覆い尽す念仏が地侍・小十郎を、守護・政親を、別々の明日に追い立ててゆく。加賀一向一揆を生きた男たちを鮮烈に描く感動巨篇。
内容説明
友であったことを、思い出してくれぬか。戦場を覆い尽す念仏が、風谷党の小十郎を、守護の政親を、別々の明日に追い立ててゆく―加賀一向一揆を生きた男たちの雄叫びがこだまする感動巨篇。
著者等紹介
北方謙三[キタカタケンゾウ]
1947年、佐賀県唐津市に生まれる。73年、中央大学法学部を卒業。81年、ハードボイルド小説『弔鐘はるかなり』で注目を集め、83年『眠りなき夜』で吉川英治文学新人賞、85年『渇きの街』で日本推理作家協会賞を受賞。89年『武王の門』を発表し歴史小説にも進出、91年に『破軍の星』で柴田錬三郎賞、2004年に『楊家将』で吉川英治文学賞、06年に『水滸伝』全十九巻で司馬遼太郎賞、11年に『楊令伝』全十五巻で毎日出版文化賞特別賞を受賞。13年に紫綬褒章を受章した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
100
上・下巻650P弱、一陣の風が如く、一気に駈け抜けました!新聞小説なので、最期は少し呆気ない気がしましたが、大量に戦死している割には、爽やかな読後感です。ラストは続編がありそうな終わり方なので、続きにも期待したいと思います。風谷小十郎にとって、加賀一国は小さ過ぎたという事なんでしょうね。次の物語で彼がどう成長し、活躍するか楽しみです。2016/10/12
Ever531
32
かなり満足な読後感。で、下間蓮宗は結局どうなったのか?なんだったのか?なにしたかったのか?とかなりの?が残る。なんとなく、北方三國志の馬超みたいな感じの終わり方でしたね。2016/11/15
シュラフ
31
しばらく前に北方謙三の『史記』を読んで、なかなかよかったので期待していたのだが、とんでもない駄作であった。物語の主要人物と思しき風谷小十郎(地侍)・富樫政親(守護)・蓮如(門徒)・足利義尚(将軍)といったそれぞれの人物たちのキャラがまったくたっていない。おそらく北方謙三はこの時代について消化不良なのではなかろうか。また、描写の場面において主体がはっきりせず、いったいなんのことか分からない、といった場面展開が多々あった。繰り返しとなるが、『史記』は本当によかった。だからこそこの作品には本当にがっかりである。2017/06/04
keith
20
この時の話が後の顕如の時代につながっていくんだろうな。北方さんと言えば最近は水滸伝をはじめ中国の史記が多いですが、「武王の門」や「破軍の星」のような日本を舞台にした史記をもっと書いてほしいです。2017/01/02
kawa
19
応仁の乱の末期・直後の政治状況や加賀の一向一揆の状況が良く解るエンタメ。読み物としてはクライマックスにいくまでのスピード感がイマイチで歯痒いのだが、読後感は意外に良い。2017/04/05