内容説明
ある少女には夢を与え、別の少女からは希望を奪う―先生、あなたは何者ですか?挫折した元教師と、大人になった教え子たち。図らずもその人生は交錯し、時計の針が動き出す。
著者等紹介
木村紅美[キムラクミ]
1976年兵庫県生まれ。小学校6年生から宮城県仙台市で過ごし、現在の実家は岩手県盛岡市。明治学院大学文学部芸術学科卒。2006年に「風化する女」で文學界新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のぶ
58
それ程厚くない本と装丁のイラストを見て軽い本だと思って、読み始めたら、登場人物と状況の物語の設定が思いの外複雑な事に気が付いた。詳細を書くスペースはないが、同じ職場で働く二人の女性の恩師が偶然同じだった。ところがこの二人のかって抱いていた印象が全く違うものであった。中間部でこんな状況が分かったのだが、世間の環境に置き換えると、これは仕事社会の上司への評価と似ているのではと思った。終盤になって雰囲気は穏やかになってきたが、世の中を俯瞰して見た関係の縮図を描いたような印象を持った。2016/09/25
K
49
心に刺さったトゲのような物を先生という職業を通して描いている。女性ならではの妬みや恨みや満載でちょっと好きでは無いけどうまいなぁと思った。題名のまっぷたつのはどういう意味だろ。2016/12/30
ヒデミン@もも
47
どの女性の感情にもあるあると共感しながら静かな物語に引きこまれながら読了。「失格に値することをやらかしているのに、自分で気づいてなかったり、気づいていても蓋をして反省すらしないで、ずるずるやっていたよりよかった」 しかし反省ばかりしていたり、過去に囚われてばかりいると苦しい。気づかずに生きていけたら楽かな? 許せないのは畠山❢ 刺がある人より、やはり怖いのは上辺の優しさ。2016/07/22
fwhd8325
43
先生という職業は厄介だな。この物語は女性が主役だから、余計にこうしたこじらせ感じが際立つようです。ただ、物語はなかなか進んでくれないようで、少しイライラしながら読みました。贔屓という表現がありますが、先生も人間だから仕方ないんでしょう。私は、小学校の時に、これでもかって嫌われていました。大人になってから先生と関わるなんて想像もできません。2016/11/18
TATA
33
情景描写が独特で、かつ感情の叙述が生々しくて好き嫌いが分かれる作品かな。作品全体に灰色トーンの印象。僕は、正直苦手な部類。。ただものすごく強い印象が残る。教師は聖職、だけど人の人生に影響を与え、与えられと思うとなかなか困難な職種だと。僕も感謝してたり、今でも覚えている先生もいるけど、覚えていない先生にはいろんな思いを与えてしまっていたのかも。うーん。2016/11/05