出版社内容情報
数ある賢治作品の中でも最も鋭くストレートな風刺に満ちたふたつの作品を賢治に多大なる影響を受けたますむらひろしが漫画化。 一般向
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAKO
12
最近読んだ中で、予想もしてなかった衝撃を受けた本。宮沢賢治もますむらひろしワールドも、とても好き。ますむら版といえば登場人物を猫にするのが画期的だが、こちらは動物がそのまま描かれている童話。漫画化されたことで、文章を読んで想像するだけではぼやっとしていた部分がくっきり描かれ、映画だったら「洞熊学校…」の方はR指定されそうなくらいショッキング。凄いな…。碧い眼の蜂の描写が、激烈な自然の中の何気なさを演出している。ますむらさんが、いかに真摯に賢治童話に取り組んでいるか、あと書きからもよくわかった。2024/06/25
奥山 有為
5
本を読むことで想像力が養われるというが、宮沢賢治が考えながら描いた小さな生き物たちの生きる厳しい自然の世界を、童話として読むことでは読者はここまで想像し得ない。この話とはつまり、こういうことだったんだと絵によって初めて理解する。かなり忠実な漫画化です。ますむらひろしです。安心してのめり込めます。あー怖。2012/03/07
空
3
童話的に見せかけつつ社会への厳しい視点を織り込んでいる。でも優しさも含みつつ。とても不思議な雰囲気。2012/11/01
ビシャカナ
2
宮沢賢治の中でも露悪やグロで異色作を、ますむらひろしが漫画化。『カイロ団長』表情豊かで愛嬌あるとのさまがえるに印象が変わる。『洞熊学校を卒業した三人』どんなにコミカルに描いてもやっぱりグロい。デフォルメと写実が合わさりなおさらにグロい。それにしても、著者あとがきでは賢治が蜘蛛を不確かな知識で書いたという推察で賢治のウィークポイントを見つけてはしゃいで、それだけ著者にとって賢治が大きい存在なのだなと妙な感心。2024/12/24
mame
2
絵がつくと、こんなに読みやすいのか。そして、なんとも言えない世界観。特に、洞熊学校を卒業した三人は、残酷さというか、絵にするとなんとも言えなかった。2019/04/16