出版社内容情報
軍靴の音が国中を覆い始めた昭和初期。貧困にあえぐ東北農村部で世間の矛盾を目の当たりにした清十郎は同志と共に立ち上がると決意。
内容説明
山形のとある地方都市で、一介の労働者として生きていく上で、最低限の生活を営んでいた青年・清十郎。成長するにつれ、成金や差別など不平等な社会に疑問を抱くようになり、ある日突然、持ち場を脱走してしまう。逃亡後の生活で、革命思想を持つ仏僧・剛寿や、寒村から身売りされた娼婦・桔梗との出会いに感化された清十郎は、日々困窮していく民を救うため、世直しを唱える剛寿のもと、町の支配勢力に立ち向かうことを決意するが―。昭和初期の人々の現実を圧倒的な筆致で活写した、著者渾身の長篇。
著者等紹介
吉村龍一[ヨシムラリュウイチ]
1967年山形県生まれ。近畿大学豊岡短期大学卒業。2011年『焔火』で小説現代長編新人賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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