出版社内容情報
「……ったく、……この、未熟者めが!」さて、この文章は何という作品のラストでしょう?古今東西の名作137冊をラストの一文から読み解く、丸わかり文学案内。名作は〝お尻〟を知っても面白い!
目次
1 危険な恋愛―許されぬ恋、満たされぬ恋。なぜにあなたは破滅を選ぶ。
2 少年と少女の部屋―大人も真っ青。純真なだけではいられない未成年の物語。
3 おとぎ話の迷宮―知ってたつもりの名作童話も、大人の目で見直せば…。
4 歴史は劇場―娯楽目的の時代小説、史実に基づく歴史小説。どっちがお好き?
5 犯罪のあとさき―「犯人は誰?」の興味を超えた、ミステリーと超ミステリー。
6 現代の奇譚―空想と科学は紙一重。ロボット、宇宙、タイムマシン、人の脳!?
7 旅こそ人生―冒険の旅、探求の旅、遊興の旅。人は移動する生き物だ。
8 社会と人間―人の世は不条理だらけ。格差、貧困、戦争、差別。
著者等紹介
斎藤美奈子[サイトウミナコ]
1956年新潟県生まれ。児童書等の編集者を経て、94年に文芸評論『妊娠小説』でデビュー。以後、各紙誌で文芸評論や書評を執筆。2002年『文章読本さん江』で、第1回小林秀雄賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
139
斎藤さんは本当に読み巧者ですね。この書評集(?)も名作の最後の方での結末を中心に斎藤さんの本音を出して批評されています。読んだ本が多いのですがそうだそうだと納得するところが多くありました。これは第2作なのですね。はじめのは読んでいないので機会があれば読もうと思います。2017/06/03
アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯
48
『名作うしろ読み』の続編。今回は、ジャンルを広げて海外作品やミステリーまで。ミステリーなんて最後の一行紹介してしまって大丈夫?と思ったものの肝心の部分はネタバレ回避。かなりの部分ストーリーを紹介してしまっていながら、それでも読みたい気持ちにさせられるのは流石です。2016/04/15
いちろく
37
作品のラスト一行から本紹介をする書評集の続編。前作が歴史的な「名作」中心ならば、今作はジャンルの範囲を広げて寄りコアな本を読みたい読書好きに向けた内容の印象。この本の魅力は、前作から書き続けてくれている通り「作品のラスト一行で「ネタバレ」するほど、名作はやわではない」事を著者のユニークな本紹介を通じて教えてくれる点だ。確かに、「ラスト一行がわかったくらいで興味が半減する本など、最初からたいした価値はない」のかもしれない。そもそも「犯人はヤス」の様な致命的なネタバレは中々ないのだから。 2018/08/23
zag2
36
プレミアムとありますが、6年続いた読売新聞夕刊での連載の前半が前著で、後半の3年分がこちらの本だそうです。もっとも大幅に改稿、編集し直したとありますから、プレミアムなのかも知れません。ともかくも、名作の最後から全体を見直すというのはホントに面白い着想で、しかもそれぞれの解説が「お見事」。ああ、あの本はこういう意味だったのかなどと、読んだ本にも感心し直したり、読書体験が広がる感じがしました。2021/09/30
ユウユウ
31
どれも読んでみたくなり、読めそうな気がしてくる。でもいざ手に取ろうかと思うと臆してしまうのですが。2019年は名作読みたい!と思って、はや3ヶ月が終わろうとしています。今更ですが本気出さなくては!何冊か参考に借りてきました。さあ、どれだけ読めるかな。2019/03/22