マレ・サカチのたったひとつの贈物

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  • サイズ B6判/ページ数 243p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784120047015
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

「量子病」に冒され、世界中を跳躍し続ける坂知稀。神のサイコロ遊びなのか、一瞬後の居場所すら予測できず、行き先も滞在期間もバラバラ。人生を“積み重ね”られない彼女が、世界に爪痕を残すためにとった行動とは―さすらう稀が出会う人々、遭遇する事象、目撃する世界の異変…注目の新星が放つSFフォークロア!

著者等紹介

王城夕紀[オウジョウユウキ]
1978年8月、神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。2014年、天盆という盤戯を通して国の興亡や家族の絆を描いた小説「天の眷族」が、第10回C★NOVELS大賞特別賞を受賞。同作を『天盆』と改題してデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みっちゃん

98
「量子病」どんな設定の病気なのだろうか。そこに興味を惹かれて読み始めたがSFというよりは一篇のサーガを聞かされているような心地がした。一瞬後の居場所すら予想できず、突然身体を解かされ世界中を飛躍し続ける、その意味と静かに破滅へと向かう人類に彼女が残し、伝えるものとは。「この世界を作っているのは、存続したいという自分の欲望ではなく、存続して欲しいという他者の願い」そうなら嬉しい。出会え。別れたって、また、出会え。2016/07/10

のっぱらー

70
「銀河鉄道の夜」のオマージュで始まる、「君の膵臓をたべたい」の住野よるさんおすすめの作品。本人の意思にかかわらず突然おもわぬ場所に転移させられる「量子病」の坂知稀が、各地を旅する中で出会う世界の本質を綴った物語。ネット世界への移住を、「人と出会いたいから」という理由で拒否した彼女。確かにこれは「キミスイ」のテーマと重なるものがありました。なんとなく掴みどころがないながらも、じんわり心に残る作品でした。2016/02/04

takaC

69
なんだろう。なかなか手強いお話でした。頭が痺れました。2018/04/30

里愛乍

31
おっといきなりの量子力学ときましたか。しかしてそこのところは自分的には問題ではない。彼女は跳ぶ。人と突然に出会い、いつ来るとも知れぬ別れまでの間、共に過ごし、語り、知る。軽快なテンポの文と会話、内容的には社会だの陰謀だのテロだの不穏な流れ。捕まれる言葉と綺麗な文章の流れで進む本書は、まるでロードムービーのように美しく、気になる箇所ごとに着けていた付箋はいつしか毎頁になり、まるで付箋の意味をなさなくなった。それくらい全ページお洒落な言葉でまとまっている素敵な小説。靴職人の老夫婦が一番好き。2018/12/20

そら

18
なかなかページがすすまない……と思っていたけれど、終わってみればこれは味わう噛みしめるような本なんだな、って今では思う。主人公は量子病という本人の意思に関わらず世界中を飛び回ってしまう病気に罹患している。彼女の因果な運命から始まった多くの旅のシーンが本当に色々ありすぎて全然前に進まなくてもどかしくなるんだけど、そこから導き出された、たったひとつの結論が最後に示された時に、すごい震える。震えた。すごいな、王城さんすごい。2016/12/10

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